「どうせ、また“無自覚最強”ものの漫画でしょう?」
「VRMMOで最強になるという設定に、少しマンネリを感じている…」
そんな風に食傷気味になっている読者にこそ、ぜひ読んでいただきたい“異質”な作品があります。
それが、今回ご紹介する漫画『えむえむおー! 自由にゲームを攻略したら人間離れしてました』です。
本作の主人公は、転生特典や神様のバグで強くなったのではありません。彼がゲームを始めた動機は、交通事故からの「リハビリ」という、非常に現実的なものでした。
驚くべきことに、彼はVRMMOのβテスト期間の「全て」を、ゲーム攻略ではなく、チュートリアル空間でのリハビリに費やしてしまいます。
この記事では、なぜその地道すぎるリハビリが「人間離れ」した規格外の力に繋がったのか、そのユニークな設定と、主人公のマイペースさが巻き起こす痛快なコメディの魅力を、徹底的にご紹介します。
まずは基本情報をチェック!『えむえむおー!』とは?
『えむえむおー! 自由にゲームを攻略したら人間離れしてました』は、小説投稿サイト「小説家になろう」発の人気VRMMOファンタジー作品のコミカライズ版です。まずは基本的な作品情報をご覧ください。
| 項目 | 内容 |
| 作品名 | えむえむおー! 自由にゲームを攻略したら人間離れしてました |
| 漫画 | 緑豆 先生 |
| 原作 | 鴨鹿 先生 |
| キャラクター原案 | 布施龍太 先生 |
| 出版社 | オーバーラップ |
| 掲載媒体 | コミックグロウル |
| ジャンル | VRMMO, ファンタジー, 無自覚最強, コメディ |
リハビリが“最強”の始まり?『えむえむおー!』の作品概要
本作の舞台は、「もう一人の自分になれ」というキャッチコピーのフルダイブ型VRMMO『alter・world』です。
最大の特徴は、主人公・石動影人(いするぎ えいと)がゲームを始めた動機にあります。彼は交通事故のリハビリのため、このゲームのβテスターになりました。
しかし影人は、チュートリアル空間で自由に「体が動かせる喜び」に夢中になるあまり、ナビゲーターも呆れるほど、βテストの全期間をリハビリ(=基礎的な身体操作)のみに費やしてしまいます。
この「特殊すぎるプレイ」がシステムに異常と判断されたのか、製品版では他のプレイヤーが誰もいない「森の奥地」からスタートすることに。
そこで彼は、βテスターが誰も勝てなかった「神代の魔物」と遭遇してしまいます。絶体絶命かと思いきや、なぜかその魔物と「仲良く」なり、結果として魔物固有の強力な技やユニークアイテムを次々とゲットしていくのです。
本人は「楽しくゲームでリハビリをしている」だけ。それなのに、その行動が次々と運営の想定すら超える隠しイベント(第二の職の解放など)を解放し、自覚のないまま「人間離れ」した規格外のプレイヤーになっていく……。
本作は、そんな「無自覚最強×マイペース」が魅力の、新感覚VRMMO攻略譚です。
物語の導入と連鎖反応:あらすじ
本作の主人公・石動影人が、いかにして「人間離れ」した力を手に入れたのか。そのユニークな序盤のあらすじを、ステップバイステップでご紹介します。
ステップ1:動機(リハビリ)
主人公・石動影人は、交通事故のリハビリとして、フルダイブVRMMO『alter・world』のβテスターに応募します。
ステップ2:βテスト(特殊プレイ)
チュートリアル空間で自由に体が動かせることに感動した影人は、ゲーム本編そっちのけで、βテストの全期間をリハビリだけに費やしてしまいました。その様子は、ナビゲーターAIが呆れるほどでした。
ステップ3:製品版(異常なスタート)
製品版へデータが引き継がれると、影人は「β版での特殊なプレイ」が原因で、他のプレイヤーがいない隔離された「森の奥地」に放り出されます。
ステップ4:遭遇(隠しボス)
森の奥地で、彼は「神代の魔物」アトラ=ナトと遭遇します。彼女は、βテスト時代に遭遇したプレイヤー全員を瞬殺した、「負けイベント級の隠しボス」でした。
ステップ5:結果(最強への道)
絶体絶命のピンチ……かと思いきや、影人(ゲーム内アバター名:ハチ)は「なぜか気に入られ」、戦闘を回避して「仲良く」なってしまいます。そして、彼女が村長を務める「ハグレ者の魔物が集う村」に招待されるのです。
ステップ6:無自覚な成長
ハチは、魔物の村で魔物固有の技やユニークアイテムを多数取得。本人はただ純粋にゲームを楽しんでいるだけなのに、自覚が無いまま「常識を逸脱した力」を手に入れていきます。
彼の強さの根源は、事故という現実の絶望から生まれた「自由に動きたい」という純粋な渇望です。その渇望が、ゲームのAI(『alter・world』はAIによって多様なクエストが創られる設定です)に「特殊なプレイ」と認識され、通常のゲーマーでは決して辿り着けない「隠しボスと友達になる」というルートを切り開いたのです。
『えむえむおー!』が持つ独特の魅力と特徴
魅力①:「最強」に至るプロセスの圧倒的な説得力
多くの「なろう系」作品では、主人公の強さの理由は「転生特典」や「謎のスキル」で済まされがちです。
しかし本作の主人公ハチ(影人)の強さの源泉は、彼がβテストの全期間を費やした「リハビリ」にあります。このリハビリは、ゲーム内では単調な「身体操作の基礎訓練」に他なりません。普通のゲーマーなら数分で飽きる作業を、彼は「体が動く喜び」のために、ナビゲーターが呆れるほどやり遂げました。
この地道すぎる努力が、彼の「圧倒的なプレイヤースキル」の基盤となります。さらに、その「異常なプレイ履歴」こそが、隠しボス(アトラ=ナト)との特殊な遭遇という「運命」を引き寄せました。
彼の強さは「現実の絶望(事故)→回復への渇望(リハビリ)→超人的な基礎鍛錬(特殊プレイ)→規格外の報酬(魔物の力)」という、非常にユニークかつ説得力のあるプロセスに裏付けられているのです。
魅力②:本人の「無自覚」と周囲の「震撼」が織りなす痛快コメディ
主人公のハチは、自分が手に入れた力がどれほど異常なものか、全く自覚がありません。彼はただ「マイペースにゲームを楽しんでいる」だけです。
しかし、その「普通(のつもり)」のプレイが、ゲーム世界の常識を破壊していきます。
この作品のコメディは、「ハチの認識」と「世界の認識」の巨大なギャップから生まれます。
- ハチの認識: 「森から出て初めてのイベント(闘技大会)だ! 頑張ろう!」
- 世界の認識: 「なんだあの化け物は!?」(全プレイヤーが震撼、衝撃の蹂躙劇)
闘技大会の後、街では「謎の白ローブ」の話題で持ちきりになり、トッププレイヤーたちが彼を血眼で捜索し始めます。しかし当の本人は、そんな「捜索網を悠々と突破」して、相も変わらずマイペースに攻略を続けているのです。
この「盛大なすれ違い」こそが、読者(全てを知っている)にとって最高のカタルシスと笑いを生み出します。
魅力③:「はぐれ者」たちが集う、個性的すぎる仲間たち
『alter・world』は、「もう一人の自分になれ」というキャッチコピーの通り、多様なプレイスタイルを許容するゲームです。
主人公ハチ自身が、補助術士でありながら魔物の技を使う「はぐれ補助術士」です。そして、彼の周りに集まる仲間たちも、全員が「規格外の変人(はぐれ者)」ばかり。
品行方正なのにいつも空回りする残念な女侍(アイリス)。最強格のプレイヤーなのに重度のシスコンであるマジックフェンサー(ロザリー)。
そして極めつけは、天才肌の忍者でありながら「忍者頭巾とスク水を着用」した「自他共に認めるドMで変態な忍者」(ハスバカゲロウ)です。
最強でありながら無自覚なハチと、強烈すぎる個性を持つ彼らが絡むことで、物語は常に予測不能な化学反応とカオスな笑いを生み出し続けます。
伝説の始まり!序盤の最大の見どころ
見どころ①:絶体絶命…からの「まさか」のボス攻略(vsアトラ=ナト)
本作の方向性を決定づける、非常に重要な場面です。森の奥地で遭遇した「神代の魔物」アトラ=ナト。βテストでは遭遇した全プレイヤーを瞬殺した、「負けイベント級の隠しボス」です。
通常のRPGなら、ここでの選択肢は「戦闘」か「逃走」しかありません。しかし、ハチは違いました。絶体絶命かと思いきや、彼は「なぜか気に入られ」、戦闘を介さず「仲良く」なってしまうのです。
この「戦わずに最強ボスと友達になる」という展開こそ、本作のタイトルにある「自由にゲームを攻略」の象徴です。常識的な攻略法から逸脱したハチだからこそ辿り着けた、ユニークな名場面と言えます。
見どころ②:全プレイヤー震撼!「謎の白ローブ」爆誕の闘技大会
序盤の最大のクライマックスが、この「闘技大会」です。魔物の村で力を得たハチが、初めて他のプレイヤーの前に姿を現すイベントです。
もちろん、ハチは自分が強いとは思っていません。しかし、彼が「普通」に使う技は、アトラ=ナトたちから教わった「魔物固有の技」。他のプレイヤーから見れば、それは未知の、あり得ないチートスキルです。
結果は「衝撃の蹂躙劇」。ハチの圧倒的なプレイヤースキルと魔物の技が、イベント会場を震撼させます。
彼は匿名(白ローブ)で参加し、イベント後にあっさり姿を消したため、全プレイヤーから畏怖と憧れの対象(=都市伝説)として「謎の白ローブ」と呼ばれることになるのです。
規格外なのは主人公だけじゃない!主要キャラクター紹介
ハチ(石動 影人):リハビリの成果が人間を超えた「はぐれ補助術士」
本作の主人公。交通事故のリハビリ目的でVRMMOを開始しました。β期間全てをリハビリに費やした結果、なぜか規格外の力を手に入れます。本人は至ってマイペースで、自分が最強であることに全く気付いていない「自由で破天荒な」青年です。
アイリス:真面目すぎて空回りする残念系「女侍」
品行方正な「女侍」。とても真面目な性格なのですが、それがいつも空回りしてしまい、どこか残念な美少女です。凛としたその見た目は、主人公・影人の現実世界のクラスメイトに似ているようですが…?
ロザリー:最強格にして最恐の「シスコン・マジックフェンサー」
アイリスの姉であり、ゲーム内の女性プレイヤーでは最強格と謳われる「マジックフェンサー」です。しかし、その本性は「若干シスコン気味」。妹のアイリスのためなら、相手に容赦のない殺気を向けることも厭いません。
ハスバカゲロウ:スク水着用!自他共に認める「ドM変態忍者」
本作のコメディ担当とも言える強烈なキャラクター。「自他共に認めるドMで変態な忍者」という、属性過多な人物です。最大の特徴は、なぜか「忍者頭巾とスク水(スクール水着)を着用」していること。変態ですが割となんでもこなせる天才肌で、どこか憎めない仲間です。
アトラ=ナト:主人公を気に入った「負けイベント級」の魔物村長
ハグレ者の魔物が集う村の村長です。その正体は、βテスターを瞬殺した「負けイベント級の隠しボス」。しかし、なぜかハチ(影人)を気に入り、彼に魔物の技やアイテムなど、様々な力を与えることになります。
さいごに:『えむえむおー!』はこんな人に読んでほしい!
漫画『えむえむおー! 自由にゲームを攻略したら人間離れしてました』をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
本作は、単なる「無自覚最強」ものではありません。主人公の「強さ」が、「交通事故からのリハビリ」という非常に人間的な渇望に裏付けられている点が、他の作品にはない深い説得力とユニークさを生み出しています。
以下のような方に、本作は特におすすめです。
- 主人公の「最強」設定に、しっかりとした「理由」や「プロセス」を求める方
- 主人公が無自覚に周囲を驚かせ、伝説になっていく「勘違い系コメディ」が好きな方
- スク水忍者が出てきても笑って許せるような、個性的(というか変態的)なキャラクターたちが織りなすハイテンションな物語が読みたい方
主人公ハチの「マイペース」なリハビリが、いかにして全プレイヤーを震撼させる「伝説」となるのか。その痛快な蹂躙劇の始まりを、ぜひご自身の目でお確かめください!


