車漫画の最大の魅力は、鋼鉄のマシンという「乗り物」を主役に据えながら、その実、極限まで研ぎ澄まされた「人間」のドラマを描き切る点にあります。
作者の知識と情熱が注ぎ込まれた名車の緻密な描写や、紙面から轟音が響くようなスピード感溢れる走行シーン。それらは読者の憧れや所有欲を強く刺激します。
しかし、物語の核心は常にドライバーです。愛車の特性を信じ、そのポテンシャルを1ミリ秒でも速く引き出そうとするテクニックと精神力。ライバルとの息詰まる心理戦や、コーナーを抜ける一瞬の判断が、熱いカタルシスを生むのです。
マシンとドライバーが対話し、一体となって限界に挑む。そのロマンこそが、車漫画の持つ色褪せない魅力でしょう。
