幸せな家庭を壊す「裏アカ」の闇
あなたのパートナーは、本当にあなたの知っている通りの人物でしょうか?
スマートフォンの画面の向こう側には、家族さえ知らない「もう一つの顔」が存在するかもしれません。
今回ご紹介するのは、講談社「マガジンポケット」で連載中の話題作『愛妻の裏アカ』です。タイトルだけで不穏な空気が漂いますが、その中身は想像を絶するサスペンスとドロドロの人間ドラマが渦巻いています。
「まさかうちの妻に限って…」そんな平和な日常が、たった一つのSNSアカウントによって音を立てて崩れ去る恐怖。現代社会の闇を鋭く切り取った本作は、読み始めたら最後、決して他人事とは思えない戦慄の展開にページをめくる手が止まらなくなることでしょう。
『愛妻の裏アカ』基本情報まとめ
まずは、本作の基本的な情報を整理しておきましょう。
| 項目 | 内容 |
| 作品名 | 愛妻の裏アカ |
| 原作 | MITA |
| 漫画 | 図イツク |
| 出版社 | 講談社 |
| 掲載媒体 | マガジンポケット / コミックDAYS |
| ジャンル | サスペンス / 不倫 / 復讐 / ミステリー |
| キーワード | 裏垢、デジタルタトゥー、PTA、小学校、サレ夫 |
| 更新頻度 | 毎週火曜日(媒体により異なる場合あり) |
小学校で撮影された禁断の動画
本作は単なる不倫漫画ではありません。不倫現場が「娘の通う小学校」であり、犯人探しの舞台が「PTA」であるという点が、他の作品とは一線を画す異常性を放っています。
物語は、主人公が偶然見つけてしまったSNSの裏アカウント(裏アカ)から始まります。そこに投稿されていたのは、愛する妻に酷似した女性の過激な動画。しかも、その背景に見えるのは見慣れた小学校の風景でした。
「聖域」であるはずの学校で、親たちが繰り広げる背徳の行為。このタブー極まりない設定が、読者に強烈な嫌悪感と同時に、怖いもの見たさという抗いがたい好奇心を植え付けます。現代のネット社会が生んだ「承認欲求の暴走」と、閉鎖的なコミュニティである「PTA」の闇が見事に融合した、新時代のサスペンス作品と言えるでしょう。
夫の復讐:PTAに潜む犯人を捜せ
主人公の山田ソウスケは、製薬会社に勤める真面目な営業マンです。愛妻・リカと一人娘・シホとの生活は、誰が見ても幸せそのものでした。SNSに家族写真をアップし、「いいね」をもらって喜ぶ、そんなありふれた日常を送っていました。
しかしある日、会社の後輩から見せられた「裏アカ」がすべてを変えてしまいます。
アカウント名は「ももんがカップル♂」。
そこに映る女性のホクロの位置が、妻・リカと完全に一致することに気づいた瞬間、ソウスケの世界は反転します。しかも動画の撮影場所は娘の通う小学校。つまり、不倫相手(間男)は、学校内に自由に出入りできる人物である可能性が高いのです。
「犯人はPTAの中にいる」
ソウスケは怒りと絶望を押し殺し、妻と間男を社会的に抹殺するための復讐を誓います。彼は良きパパを演じながらPTAの役員に立候補し、潜入捜査を開始。容疑者は、同じくPTAに参加する5人の父親たち。
笑顔で挨拶を交わすこの男たちの中に、妻を寝取った相手がいる…。ソウスケの孤独で緻密な犯人探しが、今、幕を開けます。
リアルすぎる心理描写とサスペンス
本作の最大の魅力は、主人公・ソウスケが感情に任せて暴れるのではなく、極めて冷静かつ論理的に「罠」を仕掛けていく点にあります。
例えば、初期のエピソードで描かれる「ドーナツの罠」は秀逸です。
ソウスケは、わざと特徴的なトッピングをしたドーナツを差し入れとしてPTAの会合に持ち込みます。現代人は珍しい食べ物を見ると写真を撮ってSNSに上げたくなるもの。その習性を利用し、裏アカにそのドーナツの写真がアップされるかどうかで、犯人がその場にいるかを特定しようとするのです。
営業マンとしてのスキルを活かした巧みな話術と観察眼で、ジワジワと犯人を追い詰めていく様は、まさに極上のミステリー。「バレたら終わり」の緊張感の中、夫と妻、そして間男との高度な心理戦が繰り広げられます。
また、作画を担当する図イツク先生の描く、美しくも不気味な表情も見逃せません。普段は清純で可愛らしい妻・リカが見せる、裏アカ動画内での淫靡な表情や、嘘をつく時の張り付いたような笑顔。そして、ソウスケが時折見せる般若のような憎悪の顔。これらの「顔芸」とも言える描写力が、キャラクターの内面にある狂気をより一層引き立てています。
疑惑の妻と復讐に燃える夫
ここでは、物語の中心となる主要キャラクターをご紹介します。
山田ソウスケ(やまだ そうすけ)
本作の主人公。32歳の製薬会社営業マン。家族を誰よりも愛する誠実な夫でしたが、妻の裏切りを知り復讐の鬼と化します。彼の武器は、感情を隠して相手を信用させる「演技力」と、証拠を積み上げる「論理的思考力」。痛々しいほどに傷つきながらも、真実を暴こうとする姿に、読者は応援せずにはいられません。
山田リカ(やまだ りか)
ソウスケの妻で31歳。一見すると、夫を立てる良き妻であり、娘を愛する優しい母親です。しかしその裏では、「ももんがカップル♂」の動画に出演し、学校というリスクの高い場所での行為に興じる異常な一面を持っています。彼女の行動原理は性欲なのか、承認欲求なのか、それとも別の何かなのか。その底知れない不気味さが物語の核となっています。
PTAの父親たち(容疑者)
ソウスケが潜入したPTA会合に集まる5人の男性たち。一見、教育熱心で地域貢献に積極的な「イクメン」たちですが、それぞれが何らかの裏の顔や秘密を抱えている様子。この中の誰が「ももんが」なのか、あるいは共犯者がいるのか。読者もソウスケと共に推理を楽しむことができます。
本作をもっと深く知るためのQ&A
ここでは、これから読み始める方が気になるであろうポイントをQ&A形式でまとめました。
Q1: 原作小説などはありますか?
いいえ、本作はMITA先生が原作(脚本)、図イツク先生が漫画を担当する漫画オリジナル作品です。先の展開が分からないため、毎週の更新ごとに読者の間で考察が盛り上がっています。
Q2: どのような人におすすめですか?
サスペンスやミステリーが好きな方、人間の暗部を描いた「イヤミス」が好きな方に特におすすめです。また、単なるドロドロ展開だけでなく、主人公が知略を巡らせて反撃する「復讐劇」としてのカタルシスを求めている方にも満足いただける内容です。逆に、完全なハッピーエンドや心温まる物語を求めている方には刺激が強すぎるかもしれません。
Q3: 作者の他の作品は?
原作者のMITA先生は、これまでにも『東京ネオンスキャンダル』や『ヒト喰イ』、『受胎の売人』など、社会の裏側や人間の欲望をテーマにした衝撃作を数多く手掛けています。いずれも鋭い視点と予測不能なストーリー展開で評価が高い作家です。図イツク先生の美麗かつ迫力ある作画との相性は抜群と言えます。
Q4: ただの不倫漫画と何が違うのですか?
最大の違いは「ミステリー要素」の強さです。「妻が浮気している」という事実からスタートし、「誰が相手なのか(Whodunit)」「なぜ学校なのか(Why)」「どうやって追い詰めるか(How)」という謎解きが物語の主軸に置かれています。感情的な修羅場だけでなく、証拠集めやトラップといった知能戦が描かれるため、男性読者やミステリーファンも楽しめる構造になっています。
最後に:真実を知る覚悟はありますか
『愛妻の裏アカ』は、現代のテクノロジーと人間の業が生み出した悲劇です。
もし、あなたのパートナーのスマートフォンに、想像もできない秘密が隠されていたとしたら…。
ソウスケの戦いは、決してフィクションの世界だけの話ではないかもしれません。
物語は現在も進行中で、謎が謎を呼ぶ展開が続いています。DNA鑑定による血縁の真偽、PTA内の権力闘争、そして娘の中学受験。様々な要素が絡み合い、事態は家庭内だけにとどまらない大騒動へと発展していきます。
「怖いけれど、続きが気になって仕方がない」
そんな中毒性抜群の本作を、ぜひこの機会にチェックしてみてください。ただし、読んだ後にパートナーを疑いの目で見てしまっても、責任は負いかねますのでご注意を。


