『はじめの友人』が怖すぎる!民俗学×ブロマンスの新境地を徹底解説

はじめの友人(1) オカルトホラー
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禁断の扉が開く…今読むべき話題の民俗学ホラー漫画

みなさん、こんにちは。最近、背筋がゾクッとするような、でもページをめくる手が止まらない…そんな漫画に出会えていますか?

ホラー漫画にもいろいろありますが、心霊現象がいきなりドーン!と来るものよりも、じわじわと日常が侵食されていくような「静かな恐怖」こそ、後を引く怖さがありますよね。特に、日本の田舎独特の閉鎖的な空気感や、古くから伝わる謎めいた風習をテーマにした「村ホラー」や「民俗学ミステリー」は、一度ハマると抜け出せない深い魅力があります。

今回ご紹介するのは、まさにそんな世界観にどっぷりと浸れる注目作、『はじめの友人』です。

作者は、あのお仕事コメディ『刷ったもんだ!』で知られる丹野いろは先生。印刷会社でのドタバタを描いた前作から一転、今作では「田舎の因習」と「かつての友人」を巡る、美しくも恐ろしい物語を紡ぎ出しています。「えっ、あのコメディの名手がホラーを?」と驚かれる方も多いでしょう。しかし、読んでみると納得。丹野先生の描くキャラクターの繊細な心理描写は、ホラーというジャンルでこそ、その真価を発揮しているようにさえ感じられます。

2025年11月に待望の第1巻が発売されたばかりの本作。物語は、主人公が大学生になった現在と、忌まわしい記憶が残る小学生時代の「あの夏」を行き来しながら進んでいきます。

「うなゐさま」とは一体何なのか?

村の人々がひた隠しにする「ふた祭り」の正体とは?

そして、主人公の前に現れた、かつての友人と同じ名前を持つ青年の目的は?

謎が謎を呼ぶ展開に、きっとあなたも引き込まれるはずです。今回は、ネタバレを最小限に抑えつつ、この作品の魅力を余すところなくたっぷりとご紹介していきます。夜眠れなくなっても責任は取れませんが…ぜひ最後までお付き合いくださいね。

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作品の基本情報

まずは、『はじめの友人』の基本的な情報をチェックしておきましょう。まだ始まったばかりの作品ですので、今から読み始めれば最前線で考察を楽しめますよ。

項目内容
作品名はじめの友人
作者丹野いろは
出版社講談社
掲載誌・メディアモーニング・ツー / コミックDAYS
ジャンル青年漫画 / ホラー / ミステリー / ヒューマンドラマ
キーワード民俗学、因習村、ブロマンス、大学生、再会
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「日常」と「怪異」が交錯する作品概要

『はじめの友人』は、講談社の「モーニング・ツー」およびマンガアプリ「コミックDAYS」にて連載されている、丹野いろは先生によるオリジナル漫画作品です。

本作の最大の特徴は、「過去の因縁」が「現在の日常」に忍び寄ってくるという構成にあります。物語の舞台は、どこにでもあるような現代の大学キャンパス。しかし、主人公の抱えるトラウマは、幼少期に訪れた閉鎖的な田舎の村にあります。

いわゆる「因習村もの」や「村ホラー」と呼ばれるジャンルですが、本作は単に怖いだけではありません。主人公と、かつての友人を名乗る謎の青年との関係性を軸にした「ヒューマンドラマ」としての側面も強く持っています。友情とも執着ともつかない複雑な感情が絡み合う様子は、ブロマンス(男性同士の親密な関係)作品がお好きな方にも強く刺さる内容となっています。

また、タイトルにある「はじめの友人」という言葉。一見すると「最初の友達」という温かい意味に取れますが、読み進めるうちにこの言葉が持つ不穏な響きに気づかされるでしょう。「はじめ」とは何なのか、「友人」とは誰のことなのか。タイトルの意味を考察しながら読むのも、本作の楽しみ方の一つです。

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忌まわしい記憶が蘇るあらすじ

物語は、主人公である谷亀遼太(たにかめ りょうた)の視点を通して、現在と過去を行き来しながら語られます。

【過去:あの夏の記憶】

小学生の頃、遼太は家族旅行でとある田舎の村を訪れます。そこは自然豊かで静かな場所でしたが、どこか奇妙な空気が漂っていました。村ではちょうど「ふた祭り」と呼ばれる祭事の準備が行われていたのです。

よそ者である遼太は、村の大人たちが祭りの起源や詳細について不自然なほど口をつぐむことに違和感を覚えます。そんな中、遼太は村に住む同い年の少年、中本朔(なかもと さく)と出会い、仲良くなります。

好奇心旺盛な少年たちは、村人が「災いを閉じ込めている」として恐れる「ふた」の正体を暴こうとします。「うなゐさま」という謎の存在が関わっているらしいその場所へ、二人はこっそりと足を運びます。しかし、そこで彼らを待ち受けていたのは、子供の好奇心では済まされない、あまりにも恐ろしい出来事と、村の言い伝えに隠された残酷な真実でした。

その日、遼太は「見てはいけないもの」を見てしまい、朔との関係も唐突に終わりを告げた…はずでした。

【現在:侵食される日常】

時は流れ、遼太は大学生になりました。あの夏の出来事は忌まわしい記憶として心の奥底に封印し、平穏なキャンパスライフを送っていました。

しかし、ある日、遼太の通う大学の教室に、一人の謎めいた青年が現れます。彼は遼太に近づき、こう名乗りました。

「中本朔」と。

それは、かつて村で出会い、別れたはずの少年と同じ名前でした。

その再会をきっかけに、遼太の周囲では説明のつかない奇妙な出来事――怪異――が頻発するようになります。彼は本当にあの時の「朔」なのか? それとも、「ふた」の向こう側からやってきた「別のナニカ」なのか?

止まっていた時が動き出し、遼太は再び、あの村の呪縛と向き合うことになるのです。

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巧みな心理描写と恐怖の演出が生む魅力と特徴

丹野いろは先生の新境地!コメディからホラーへの華麗なる転身

本作を語る上で外せないのが、作者である丹野いろは先生の作家性です。丹野先生といえば、前作『刷ったもんだ!』での軽快なコメディ描写が記憶に新しい方も多いでしょう。印刷業界の「あるある」をコミカルに描き、働く大人たちの悲哀と笑いを届けてくれた先生が、まさかこれほど本格的なホラーを描くとは!と、連載開始時は多くのファンが驚きました。

しかし、ジャンルは違えど、丹野先生の持ち味である「人間観察力」は健在です。前作でもクセの強いキャラクターたちの掛け合いが魅力でしたが、『はじめの友人』ではその筆致が、人間の「弱さ」や「狂気」、そして「執着」を描く方向へとシフトしています。

日常の何気ない会話の中に潜む違和感や、ふとした瞬間に見せる表情の陰り。そういった細かい描写の積み重ねが、読者の不安を煽ります。「明るい画風なのに、何かがおかしい」というギャップが、恐怖をより一層引き立てているのです。コメディで培われた「間」の取り方が、ホラーにおける「溜め」の演出に活かされているのも見逃せません。

「うなゐ」という言葉に込められた民俗学的恐怖

本作のホラー要素の中核を担うのが、「うなゐさま」という存在です。この「うなゐ(うない)」という言葉、古語や民俗学に詳しい方ならピンとくるかもしれません。

本来、「うなゐ(髫・童)」とは、古代日本における子供の髪型(うなじのあたりで髪を結んだり垂らしたりするスタイル)や、その髪型をした子供そのものを指す言葉です。『万葉集』などの古典文学にも登場し、かつては無垢な子供の象徴でもありました。

しかし、民俗学的な視点で見ると、7歳までの子供は「神のうち」とされ、現世と異界を行き来する不安定な存在と考えられていました。本作では、この「子供=異界に近い存在」という概念を巧みに取り入れています。

「うなゐさま」という響きからは、何か尊い神様のような印象も受けますが、同時に子供特有の無邪気な残酷さや、理解不能な理屈で動く不気味さも連想させます。村人たちが恐れる「ふた祭り」とは、この「うなゐさま」を鎮めるためのものなのか、それとも封じ込めるためのものなのか。

実在する古語をキーワードにすることで、フィクションでありながら「本当に日本のどこかにありそう」なリアリティを持たせている点が、本作の怖さを底上げしています。

閉鎖的な村社会と「ふた」のメタファー

ホラーファンの心をくすぐるのが、舞台となる村の描写です。「祭りのことを聞いてはいけない」「あそこに行ってはいけない」というタブーの数々。村人たちの監視の目。これらは「村ホラー」の王道ですが、本作ではそこに「ふた」という象徴的なアイテムが登場します。

「ふた」とは、物理的に何かを閉じ込める蓋であると同時に、精神的な「抑圧」のメタファー(隠喩)でもあります。村人たちが隠したい過去、遼太が忘れたい記憶、そして見て見ぬふりをしている真実。それらすべてに「ふた」がされています。

主人公たちがその「ふた」を開けてしまったことで、パンドラの箱のように災厄が溢れ出します。一度開いてしまったら、もう元には戻せない。この絶望感と、それでも真実を知りたいという抗えない好奇心の葛藤が、物語をスリリングに牽引します。

過去と現在をつなぐ「友人」の正体への疑惑

本作最大のミステリーは、大学生になった遼太の前に現れた「中本朔」の正体です。

彼は本当に、かつて村で遊んだあの朔くんなのでしょうか?

外見は成長した朔のように見えますが、その瞳の奥には読み取れない闇があります。時折見せる人間離れした言動や、遼太への異常なまでの執着。それは友情なのか、それとも獲物を狙う捕食者の目なのか。

読者は遼太と共に、「彼は味方なのか、敵なのか?」という疑心暗鬼に陥ります。ブロマンス的な要素として、「運命の再会」にときめく一方で、その相手が「人外かもしれない」という恐怖が常に付きまといます。この「信頼と恐怖」のバランスが絶妙で、キャラクター同士の関係性に深みを与えています。

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物語を彩る主要キャラクターの紹介

谷亀 遼太(たにかめ りょうた)

【キャッチコピー】「ふた」を開けてしまった「目撃者」

本作の主人公。現在はごく普通の大学生として生活していますが、小学生の頃に訪れた村での体験がトラウマとなっています。性格は基本的には常識人で、少し気弱な部分もありますが、心の奥底には強い好奇心と正義感を秘めています。

かつての恐怖体験から、怪異に対して敏感な感覚を持ってしまっており、朔との再会を機に、望まない非日常へと巻き込まれていきます。読者にとっては、この不可解な世界を覗き見るための「窓」となる存在です。彼の視点を通じて、私たちは徐々に村の真実へと近づいていくことになります。

中本 朔(なかもと さく)

【キャッチコピー】闇を纏って帰ってきた「はじめの友人」

本作のキーパーソンにして、最大の謎。小学生時代は村に住む少年として遼太と交流し、共に「ふた」の秘密に触れました。

大学生となって遼太の前に再び姿を現しますが、その雰囲気は以前とは異なり、どこかミステリアスで冷徹な空気を漂わせています。彼は遼太に対して親しげに振る舞う一方で、周囲で起こる怪異を操っているかのような不穏な動きも見せます。

果たして彼は、村から逃げ延びた生存者なのか、それとも「うなゐさま」に取り込まれた成れの果てなのか。彼の真意を知ることが、物語の核心へと繋がっていきます。

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気になる疑問を解決!Q&Aコーナー

これから『はじめの友人』を読み始める方のために、よくある疑問をQ&A形式でまとめました。

Q1: 原作となる小説などはありますか?

いいえ、原作はありません。本作は丹野いろは先生によるオリジナルの漫画作品です。先の展開が誰にも分からないため、リアルタイムで連載を追いかけながら考察を楽しむことができます。原作ファンによるネタバレの心配がないのも嬉しいポイントですね。

Q2: どんな人におすすめの漫画ですか?

以下のような方には特におすすめです!

  • 民俗学や因習村系のホラーが好きな人: 『ひぐらしのなく頃に』や『ガンニバル』のような、土着的な恐怖がお好きな方にはたまりません。
  • ブロマンス要素のあるストーリーが好きな人: 男性キャラクター同士の複雑で重厚な関係性(クソデカ感情)を楽しみたい方にも刺さるはずです。
  • 考察しながら読むのが好きな人: 散りばめられた伏線や意味深なセリフから、真実を推測するのが好きなミステリーファンにも最適です。
  • 絵が綺麗な漫画が読みたい人: 丹野先生の描く端正なキャラクターと、緻密な背景描写は必見です。

Q3: 作者の丹野いろは先生について教えて?

丹野いろは先生は、以前『モーニング・ツー』などで『刷ったもんだ!』という作品を連載されていました。こちらは印刷会社を舞台にしたお仕事コメディで、元ヤンキーの主人公が印刷業界の荒波に揉まれる様子をコミカルに描いた傑作です。

また、『いくばくか〜承認の渇求〜』などの作品もあります。コメディからシリアス、そして今回のホラーと、幅広いジャンルを描き分ける高い画力と構成力を持った実力派の作家さんです。

Q4: ホラー描写はどれくらい怖いですか?

「スプラッター(流血)表現」というよりは、「心理的な恐怖」や「生理的な嫌悪感」を刺激する描写が中心です。お化けがいきなり驚かせてくるというより、日常の風景の中に「いてはいけないもの」が混ざっているような、じっとりとした怖さがあります。ホラーが極端に苦手な方でなければ読める範囲かと思いますが、夜中に一人で読むとトイレに行けなくなるレベルの「不気味さ」は十分にありますのでご注意を!

Q5: 単行本は何巻まで出ていますか?

2025年11月21日に、待望の第1巻が発売されたばかりです。まだ巻数が少ないので、今からでもすぐに最新話まで追いつくことができますよ。電子書籍版も配信されていますので、スマホで気軽に試し読みしてみるのもおすすめです。

Q6: 記事のタイトルにある「うなゐ」の意味は?

記事内でも触れましたが、「うなゐ(うない)」は歴史的仮名遣いで、現代語では「うない」と読みます。子供の髪型や、子供そのものを意味する古語です。柳田國男などの民俗学の文献でも、神隠しや異界信仰と関連して語られることがある言葉です。この言葉をタイトルや設定に持ってくるあたり、作者の本気度が伺えますね。

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さいごに:その「ふた」を開けるのは、あなたです

ここまで、漫画『はじめの友人』の魅力をたっぷりとご紹介してきました。

静かな田舎の風景、忘れられない夏の思い出、そして再会した友人の笑顔。美しい要素が揃っているからこそ、その裏に潜む「闇」の深さが際立つ作品です。遼太と朔、二人の関係がどこへ向かうのか、そして村に隠された真実は暴かれるのか。ページをめくるたびに、確かな恐怖と、それ以上の興奮があなたを待っています。

日常に少しのスパイス(というには刺激が強すぎるかもしれませんが)が欲しい方、骨太なストーリーを楽しみたい方は、ぜひ『はじめの友人』を手に取ってみてください。

ただし、一つだけ忠告を。

もし、あなたの周りで不思議なことが起き始めたら……それは、あなたがこの漫画という「ふた」を開けてしまったからかもしれませんよ。

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