【永久保存版】楳図かずお『ZOKU-SHINGO COMPLETE BOX』その全貌と魅力

ZOKU-SHINGO COMPLETE BOX SF
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日本の漫画界、ホラー界、そして芸術界に多大なる足跡を残した巨匠、楳図かずお先生。2024年10月に惜しまれつつこの世を去りましたが、先生が最後に私たちに残してくれた「大きな遺産」がついにその全貌を現します。

それが、今回ご紹介する「ZOKU-SHINGO COMPLETE BOX」です。

「えっ、あの『わたしは真悟』に続きがあるの?」と驚かれた方も多いのではないでしょうか。実はこの作品、単なる漫画の続編ではありません。構想から制作まで4年という歳月をかけ、27年ぶりに発表された「奇跡の新作」なのです。

楳図先生の生誕90周年記念プロジェクトの第一弾として、そして先生の「集大成」として2025年11月に発売されるこのボックスセット。ファンならずとも手元に置いておきたくなる、その圧倒的な中身と魅力について、今回は興奮を抑えつつ(でも少し興奮しながら)、分かりやすくご紹介していきます。

これは単なる本ではありません。楳図かずおという天才の「魂」そのものです。なぜ今、この作品を読むべきなのか。その理由を一緒に見ていきましょう。

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基本情報

まずは、この記念碑的な作品の基本的なスペックを確認しておきましょう。通常のコミックスとは異なり、非常に豪華な仕様となっています。書店で見かけた際にその大きさに驚かないよう、予習しておきましょう。

項目内容
タイトルZOKU-SHINGO COMPLETE BOX
著者楳図かずお
出版社小学館
発売日2025年11月28日
判型A4判(大型サイズ)
ページ数368ページ
価格9,900円(税込)
備考生誕90周年特別企画 / 永久保存版BOX仕様
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楳図かずおが到達した、漫画と芸術の融合点(作品概要)

「ZOKU-SHINGO COMPLETE BOX」とは、一言で言えば「楳図かずおが到達した、漫画と芸術の融合点」です。

多くの人が楳図先生といえば『漂流教室』や『まことちゃん』、そして『わたしは真悟』といった漫画作品を思い浮かべるでしょう。しかし、先生は漫画家としての活動を一時休止した後、長い沈黙を破ってこの作品に取り組みました。

本作は、1980年代に連載され、その予言的な内容(AIや意識の目覚めなど)で今なお傑作と呼び声高いSF漫画『わたしは真悟』の正統な続編として位置づけられています。しかし、最大の特徴は「漫画(コミック)」という形式を取っていないことです。

これは「連作絵画」です。

1枚1枚が独立したアクリル絵画でありながら、101枚の絵が連続することで一つの物語を紡ぎ出す。コマ割りもフキ出しもない、けれどそこには確実に「時間」と「物語」が流れている。そんな、かつてない表現方法で描かれています。

このボックスセットには、その連作絵画101点がフルカラーで収録されているだけでなく、制作の過程を垣間見ることができる「鉛筆による素描(下書き)」全101点も収録されています。完成された色彩の世界と、楳図先生の筆致がそのまま残る素描の世界。その両方をA4サイズという大判で堪能できる、まさに「美術館」を手元に置くような一冊なのです。

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意識の行方を描く、静謐な物語(あらすじ)

物語の舞台は、『わたしは真悟』のラストシーンから繋がる世界です。

かつて、産業用ロボットとして生まれ、やがて自我(意識)に目覚めた「真悟」。父である少年・悟(さとる)と、母である少女・真鈴(まりん)の愛によって生まれた奇跡の存在です。前作のラストで、真悟は二人の子供を救い、意識だけの存在となってどこかへ消えていきました。

それから時は流れ、「ZOKU-SHINGO」では、その意識の行方が描かれます。

ある日、謎めいた「小さなロボット」が登場します。それは果たしてあの時の真悟なのか、それとも別の何かなのか。物語は「小さなロボット シンゴ美術館」という不思議な空間を中心に展開していきます。

101枚の絵画は、時系列に沿ってドラマチックに展開します。言葉による説明は最小限ですが、絵画一枚一枚が持つ圧倒的な情報量と、楳図先生特有の「視線」の誘導によって、私たちは言葉のない映画を見ているかのようにストーリーを追体験することになります。

機械と生命の融合、神の不在と存在、そして意識とは何か。前作で問いかけられた深淵なテーマが、より抽象的かつ芸術的な高みへと昇華され、再び私たちの前に現れるのです。

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なぜこれほどまでに心を揺さぶるのか(魅力・特徴)

27年の沈黙を破った「最期の新作」としての重み

この作品の最大の魅力は、なんといっても「楳図かずおの新作」であるという事実そのものです。

1995年に『14歳』の連載を終了して以来、実に27年もの間、楳図先生は新作漫画を発表していませんでした。多くのファンが「もう新作は読めないのかもしれない」と諦めかけていた中で発表されたのが、この『ZOKU-SHINGO』です。

しかも、2024年に先生が逝去されたことにより、これが事実上の「遺作」であり「最期の新作」となりました。

80歳を超えてなお、枯れるどころかより鮮烈に、より前衛的に進化しようとした芸術家の「執念」が、この作品には詰まっています。この作品に触れることは、楳図かずおという表現者の最期の生き様に触れることと同義と言えるでしょう。腱鞘炎などの身体的な困難を抱えながらも、4年という歳月をかけて完成させた情熱には、ただただ圧倒されます。

漫画の文法で描かれた「読む絵画」体験

本作は美術館で展示されるような「絵画」ですが、その構成には漫画家・楳図かずおのテクニックが随所に使われています。

1枚の絵の中に描かれた構図、色彩の配置、そして次の絵へと繋がるリズム。これらはすべて、長年漫画を描き続けてきた先生だからこそできる「視線の誘導」です。

コマ割りがないのに、ページをめくる(あるいは展示を見て歩く)ことで、頭の中で動画のように動き出す感覚。これは、漫画と絵画の両方を極めた人間にしか作れない、唯一無二の体験です。

アクリルガッシュ(絵の具)で描かれた原画のタッチは、印刷された漫画の線とはまた違う、生々しい迫力を持っています。その筆使いの一つ一つまで再現したこのCOMPLETE BOXは、まさに「読む絵画」と呼ぶにふさわしい仕上がりです。

制作期間4年、101枚の「素描」が明かす思考の痕跡

この作品を完成させるために、楳図先生は4年もの歳月を費やしました。

『わたしは真悟』の続編を描くにあたり、先生は安易な漫画形式を選びませんでした。より純度の高い表現を求めて絵筆を握り、101枚すべてを手描きで仕上げたのです。

今回のBOXには、完成原稿だけでなく、その制作過程である「素描(デッサン)」も収録されています。

素描を見ると、先生がどのように構図を決め、どこに線を引こうと迷い、そして決断したのか、その思考のプロセスが手に取るように分かります。完成版の鮮やかな色彩の裏にある、骨太なデッサン力。この対比を楽しめるのも、COMPLETE BOXならではの贅沢な魅力です。この素描集自体が、一つの独立したアート作品として成立するほどのクオリティを持っています。

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物語を彩る、象徴的な存在たち(主要キャラクター)

真悟(シンゴ):意識の旅を続けるロボット

かつて町工場で働く産業用ロボットだった存在。悟と真鈴という二人の子供によって言語と心を教わり、やがて自我に目覚めました。「わたしは真悟」と名乗った彼(それ)は、本作『ZOKU-SHINGO』においても物語の核となります。

物理的なボディが変わっても、あるいは形を失っても残り続ける「意識」の象徴。今回は「小さなロボット」という姿や、美術館という空間そのものと深く関わりながら、新たな進化の形を見せてくれます。彼の視点を通して、私たちは人間とは何か、愛とは何かを問いかけられることになります。

小さなロボット:新たな「器」としての存在

本作の象徴的なビジュアルでもある、謎の小さなロボット。

どこかユーモラスでありながら、その瞳(あるいはレンズ)の奥には深い知性を感じさせます。かつての巨大なアームを持つ産業用ロボットとは異なる姿ですが、そこに宿るものは果たして何なのか。物語の鍵を握る重要なガイド役です。

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購入前に知っておきたいこと(Q&A)

Q1: 原作があるかどうかの情報

はい、あります。

本作は、1982年から1986年にかけて「ビッグコミックスピリッツ」で連載された長編SF漫画『わたしは真悟』の続編です。

ただし、表現方法が漫画から「連作絵画」へと変化しています。『わたしは真悟』は、AIやネットワーク社会の到来を予見した傑作として、現在でも非常に高い評価を受けています。この原作漫画をベースにしつつ、全く新しい表現へと進化しています。

Q2: おすすめの対象

以下のような方に特におすすめです。

  • 楳図かずおファンの方:先生の最期の到達点を見届けるために必須の一冊です。
  • アート・美術に関心がある方:漫画という枠組みを超えた、現代アートとしての楳図作品の力強さに触れられます。
  • SF・哲学的な物語が好きな方:「意識」や「神」をテーマにした深遠なストーリーは、SFファンの知的好奇心を強く刺激します。
  • クリエイター・表現者の方:80代になっても新しい表現に挑戦し続けた姿勢から、大きな勇気を貰えるはずです。

Q3: 作者情報・過去の作品

作者は、楳図かずお(うめず・かずお)先生です。

1936年生まれ。ホラー漫画の第一人者として知られ、「ホラー漫画の神様」とも呼ばれます。代表作に、学校ごと未来へタイムスリップするサバイバルSF『漂流教室』、ギャグ漫画の金字塔『まことちゃん』、美への執着を描いた『洗礼』などがあります。

漫画家としてだけでなく、タレント活動や音楽活動など多岐にわたって活躍されました。2024年10月28日、88歳で永眠されましたが、その作品群は今なお新しい読者を獲得し続けています。

Q4: 前作「わたしは真悟」を読んでいなくても楽しめますか?

正直に申し上げますと、前作を読んでいた方が、感動は何倍にもなります。

『ZOKU-SHINGO』は独立したアート作品としても圧倒的な迫力を持っていますが、物語の背景には前作のキャラクターたちの想いや、真悟が辿ってきた運命が色濃く反映されています。

もし可能であれば、文庫版や電子書籍などで『わたしは真悟』(全巻)を読んでから、あるいは読みながらこのBOXを開くことを強くおすすめします。そうすることで、なぜこの絵画がこれほどまでに切なく、美しいのかが深く理解できるはずです。本作には前作の「扉絵全集」的な要素も含まれているため、比較しながら楽しむのも一興です。

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さいごに

楳図かずお先生が最期に残した贈り物、「ZOKU-SHINGO COMPLETE BOX」。

それは単なる「続編」の枠を超え、漫画家としての人生、そして芸術家としての魂をすべて注ぎ込んだ、あまりにも純粋で巨大な作品です。

ページをめくるたびに溢れ出す色彩とエネルギーは、見る者の心に「真悟」の意識を直接語りかけてくるような体験を与えてくれるでしょう。

価格は9,900円と、決して安い買い物ではないかもしれません。しかし、一人の天才が人生の最期に到達した境地を、自宅で何度でも追体験できるこのBOXには、それ以上の価値が間違いなくあります。このBOXは、楳図かずお生誕90周年プロジェクトの幕開けに過ぎません。ここからまた、新しい楳図ワールドの再評価が始まっていくことでしょう。

先生がいなくなっても、作品は永遠に残ります。

ぜひ、あなたの本棚にも「小さなロボット シンゴ美術館」を開館させてみてはいかがでしょうか。そこにはきっと、忘れられない衝撃と感動が待っているはずです。

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