ヤンキー漫画の常識を覆す、魂を揺さぶる「純愛」の物語がついに幕を開ける
みなさん、こんにちは。日々、数多の漫画作品に触れ、心を震わせている漫画レビュアーです。
突然ですが、みなさんは「ヤンキー漫画」にどのようなイメージをお持ちでしょうか?
血気盛んな若者たちの拳と拳のぶつかり合い、テリトリー争い、そして熱い友情。そうした「強さ」の象徴としての側面を思い浮かべる方が多いかもしれません。あるいは、「BL(ボーイズラブ)」というジャンルにおいては、強引な展開や、アウトローならではの危険な香りを期待する方もいるでしょう。
しかし、今回ご紹介する作品は、そうした既存のイメージを鮮やかに裏切り、そして同時に、私たちが「物語」に求める普遍的な感動を、これ以上ないほどストレートに届けてくれる傑作です。
その作品の名は、『純愛上等!』。
タイトルにある「純愛」の二文字。そして「上等」という、不良たちが好んで使う挑発的な言葉。この一見相反する二つの言葉が組み合わさった時、そこには奇跡のような化学反応が生まれていました。
著者は、繊細な心理描写と色気のあるキャラクター造形で多くのファンを魅了し続ける七緒先生。これまで社会人BLの名作『ノンケ上司、30日の開発メソッド』などで知られる先生が、満を持して挑んだのが、この「高校生×ヤンキー×純愛」という王道にして至高のテーマです。
この作品の凄さは、単なるエンターテインメントの枠に留まらない点にあります。2024年12月の電子連載開始とほぼ同時に、なんと実写映画化プロジェクトが始動。2026年の公開に向けて、すでに巨大なムーブメントが巻き起こっています。漫画というメディアミックスの始点において、これほどの規模でプロジェクトが動くこと自体、作品が持つポテンシャルの高さを物語っていると言えるでしょう。
物語の舞台は、二つの対立する高校。
紅桜高校のトップ・亀井円と、白岩高校のトップ・佐藤美鶴。
「紅白の鶴と亀」と呼ばれる二人のカリスマが出会った時、止まっていた円の時間が動き出し、凍てついていた美鶴の心が溶け始めます。
私がこの作品を読んで最初に感じたのは、「痛み」と「優しさ」の共存でした。
喧嘩の痛みではありません。誰かを大切に想うがゆえの胸の痛み。過去の傷跡が疼くような痛み。そして、そんな痛みを包み込むような、不器用で温かい優しさ。
ページをめくるたびに、彼らの呼吸が、体温が、そして鼓動が聞こえてくるような感覚に陥りました。
「ただのヤンキーものでしょ?」と侮ることなかれ。
「BLはちょっと…」と食わず嫌いすることなかれ。
ここにあるのは、ジャンルの垣根を超えて、すべての人の心に響く人間ドラマです。
なぜ、これほどまでに多くの読者が涙し、熱狂しているのか。
なぜ、映画化という異例のプロジェクトが動き出したのか。
今回は、ネタバレを極力抑えつつ、その魅力を余すところなく、徹底的に語り尽くしたいと思います。読み終わる頃には、きっとあなたも、この不器用な「鶴」と「亀」の恋路を応援せずにはいられなくなっているはずです。さあ、深呼吸をして、紅桜と白岩、二つの色が交じり合う、熱く切ない世界へ一緒に飛び込んでみましょう。
【基本情報】まずはここから!作品データまとめ
作品を手に取る前に知っておきたい基本的な情報を整理しました。出版社や著者情報など、作品を探す際の参考にしてください。
| 項目 | 内容 |
| 作品名 | 純愛上等! |
| 読み方 | じゅんあいじょうとう |
| 著者 | 七緒(ななお) |
| 出版社 | SDP (スターダストピクチャーズ) |
| 掲載誌・レーベル | BeSTAR comics |
| ジャンル | BL、ヤンキー、青春、学園ドラマ |
| メディアミックス | 2026年 実写映画公開予定 |
【作品概要】二つの高校、二人のトップ。交わるはずのない運命が交差する
物語の背景にあるのは、典型的ながらも魅力的な「対立構造」です。
舞台となる地域には、二つの不良高校が存在します。一つは「紅桜(べにざくら)高校」。そしてもう一つは「白岩(しらいわ)高校」。
名前からも分かる通り、「紅」と「白」という対照的な色を冠したこの二校は、長年にわたりライバル関係にあり、生徒同士の小競り合いが絶えない状況にあります。
この二つの高校には、それぞれ絶対的なカリスマ性を持つ「トップ(アタマ)」が存在します。
紅桜高校を束ねるのは、亀井円(かめい まどか)。
彼は「亀」の名を持つ通り、どっしりとした人望と、仲間を守るための強固な甲羅のような意志を持った男です。性格は明るく、誰からも愛される太陽のような存在。喧嘩の腕も超一流ですが、それ以上に彼の周りには自然と人が集まってくる、そんな求心力を持ったリーダーです。
対する白岩高校を束ねるのは、佐藤美鶴(さとう みつる)。
彼は「鶴」の名を持つ通り、優雅で鋭く、そしてどこか掴みどころのない空を飛ぶ鳥のような存在です。円とは対照的に、常にクールで沈着冷静。群れることを嫌い、圧倒的な個の強さで他をねじ伏せる、孤高のカリスマです。月のような冷たさと美しさを併せ持っています。
周囲の不良たちからは、敬意と畏怖を込めて「紅白の鶴と亀」と呼ばれている二人。
本来であれば、顔を合わせれば即座に抗争が勃発してもおかしくない、水と油のような関係です。しかし、運命は彼らに予想外のシナリオを用意していました。
物語は、この「敵対するトップ同士」が、ある事情から「同居生活」を始めることになるという、衝撃的な展開からスタートします。
場所は、円の実家であり、祖母が営む古い駄菓子屋「かめいや」。
昭和の風情が色濃く残る、懐かしく温かいこの場所の2階に、なんとライバルであるはずの美鶴が下宿人として転がり込んでくるのです。
なぜ、白岩のトップが敵陣のど真ん中である円の家に?
美鶴の真の目的は何なのか?
そして、過去のある出来事をきっかけに「もう喧嘩も恋愛もしない」と心に誓っていた円は、この異常事態にどう向き合うのか?
一つ屋根の下、プライベートな空間で顔を合わせることになった二人。
学校での「敵同士」という顔と、家での「同居人」という顔。この二つの顔を行き来しながら、彼らの関係はゆっくりと、しかし劇的に変化していきます。
喧嘩上等のヤンキーたちが繰り広げる、史上最も不器用で、史上最もピュアな共同生活。
それは、互いの孤独を埋め合わせ、凍った心を溶かし合う、魂の再生の物語でもあります。
【あらすじ】止まっていた時計の針が、君との出会いで再び動き出す
ここでは、物語の導入部分について、もう少し詳しく触れていきましょう。
紅桜高校のトップ・亀井円は、見た目こそ派手なヤンキーですが、実は人知れず悩みを抱えていました。それは「留年決定」という学業面でのピンチ…ではなく(もちろんそれも大問題なのですが)、もっと深い、心の奥底にある傷跡でした。
円は2年前、ある事件を経験しています。その詳細は物語のなかで徐々に明かされていきますが、その出来事は彼の心に深い影を落とし、彼から「熱」を奪ってしまいました。
「もう喧嘩も、恋愛もしない」
そう自分に言い聞かせ、どこか枯れたような、諦めにも似た日々を送っていた円。表面上は明るく振る舞い、仲間たちと馬鹿騒ぎをしていても、その瞳の奥には拭いきれない虚無感が漂っていました。
そんな「止まった時間」の中に生きる円の前に現れたのが、佐藤美鶴でした。
美鶴の登場は、円にとってまさに青天の霹靂。
祖母から「今日から2階に下宿する子が来るよ」と聞かされ、現れたのがまさかの宿敵・白岩のトップだったのですから、円の驚きは想像に難くありません。
最初は警戒心剥き出しで美鶴に接する円。
「お前、何の企みがあってここに来たんだ?」
当然の疑問をぶつけますが、美鶴は涼しい顔でそれをかわします。
しかし、同じ屋根の下で暮らし、同じ釜の飯を食う中で、円は美鶴の意外な一面を次々と目撃することになります。
学校では氷のように冷たい美鶴が、ふとした瞬間に見せる寂しげな表情。
強さの裏側に隠された、脆いほどの危うさ。
そして何より、円自身に向けられる、不器用すぎるほどの真っ直ぐな視線。
根っからの「お兄ちゃん気質」で面倒見の良い円は、放っておけない性格が災い(?)して、敵であるはずの美鶴の世話をつい焼いてしまいます。ご飯を作ってあげたり、風邪を引けば看病したり。
そうして関わりを深めていくうちに、円の中で固く閉ざしていたはずの扉が、少しずつ、音を立てて開き始めていくのです。
一方、美鶴もまた、円との生活を通して変化していきます。
孤独を鎧のように纏い、誰にも心を許さなかった彼が、円という太陽のそばにいることで、初めて「安らぎ」や「温もり」を知っていく。
美鶴が円の家に下宿した本当の理由。それは物語の核心に関わる重要な秘密ですが、その秘密が明かされた時、二人の関係は決定的な転機を迎えます。
また、二人の周りを取り巻く環境も穏やかではありません。
「紅白のトップが一緒に住んでいるらしい」という噂は瞬く間に広がり、両校の不良たちを動揺させます。さらに、円の過去に関わる因縁の人物・貴明(たかあき)の影が忍び寄り、平穏な日常を脅かし始めます。
仲間への襲撃、過去との対峙、そして抑えきれない恋心。
様々な感情が入り乱れる中、円は再び「戦う」ことを決意するのか?
そして、「恋愛もしない」という誓いは、美鶴の存在によってどう書き換えられていくのか?
これは、傷ついた二人の魂が共鳴し、新たな未来を切り拓いていく、再生と希望のあらすじです。
【魅力・特徴】喧嘩と恋の化学反応!読者を虜にする4つの「推し」ポイント
この作品がなぜこれほどまでに読者の心を掴むのか。その理由を4つのポイントに絞って深掘りします。
最強のギャップ萌え!「強さ」と「可愛さ」の黄金比率
この作品を語る上で絶対に外せない魅力、それが「ギャップ」です。
本作の主人公たちは、いわゆる「ヤンキー」です。喧嘩になれば誰よりも強く、睨みを利かせれば誰もが道を空ける。そんな強面(こわもて)な彼らが、恋に関してはまるで生まれたての赤ん坊のように不器用なのです。このコントラストが、読者の母性本能をこれでもかとくすぐります。
まず、主人公(受け)の亀井円。
彼は紅桜高校のトップとして、常に堂々としています。喧嘩のシーンでは、目にも止まらぬ速さで相手を制圧し、その背中で仲間を語るような男らしさを見せつけます。
しかし、ひとたび戦闘モードが解除されると、そこには驚くほど家庭的で、情に厚い素顔が現れます。
祖母の営む駄菓子屋のエプロンをつけて店番をする姿。近所の子供たちに囲まれて無邪気に笑う姿。そして何より、年下の美鶴に対して「俺が兄貴分だ」と張り切りつつも、美鶴からの直球のアプローチに顔を真っ赤にして狼狽える姿。
「強いのに可愛い」。この最強の属性を、円は惜しげもなく披露してくれます。特に、美鶴のふとした優しさに触れて、過去のトラウマと現在の温かさの間で揺れ動く表情は、守ってあげたくなること間違いなしです。
対する攻めの佐藤美鶴。
彼はクール系美男子の極みです。無表情で淡々と物事をこなし、他人に興味がないように振る舞います。喧嘩のスタイルも冷静沈着で、無駄のない動きで相手を圧倒します。
そんな「氷の王子様」のような彼ですが、円に対してだけは、その氷の下にある熱いマグマのような感情を垣間見せます。
円のことを見つめる時の、独占欲が滲み出るような瞳。言葉少なながらも、行動で円を守ろうとする男気。そして、たまに見せる年下らしい拗ねたような表情や、必死さ。
「普段は誰にもなびかない狼が、特定の相手にだけ尻尾を振る(あるいは牙を隠して甘噛みする)」というシチュエーションは、BLにおける至高の萌え要素ですが、美鶴はその体現者と言えるでしょう。
この二人が織りなすやり取りは、時にコミカルで、時に切なく、私たちの心を掴んで離しません。
喧嘩の時の「オラオラ」感と、二人きりの時の「ドキドキ」感。この高低差に、読者はジェットコースターに乗っているような感覚で翻弄されます。
「強さ」があるからこそ「弱さ」が際立ち、「無骨さ」があるからこそ「純粋さ」が輝く。七緒先生は、この黄金比率を完全に計算し尽くして描いています。
言葉よりも雄弁な「視線」と「空気感」の描写力
漫画という媒体において、「絵」の力は物語の説得力を大きく左右します。七緒先生の描く『純愛上等!』の世界は、その画力の高さによって、圧倒的なリアリティと没入感を生み出しています。
特に注目していただきたいのが、「視線」の描写です。
セリフで「好きだ」と言わせるのは簡単ですが、七緒先生は言葉を使わずに、キャラクターの瞳だけでその感情を表現します。
円が美鶴を見る時の、心配と愛しさが入り混じったような揺れる瞳。
美鶴が円を見る時の、獲物を狙うようでありながら、どこか縋るような切実な瞳。
視線が交差する瞬間の緊張感や、ふと逸らした視線の先に隠された本音。そうした「目の演技」が凄まじく、読者は彼らの心の内側を覗き見ているような気持ちになります。
また、背景や空気感の描写も秀逸です。
物語の主な舞台となる「かめいや」は、木造の古い建物特有の温かみや、駄菓子屋独特の雑多でカラフルな色彩(モノクロ漫画でありながら色を感じさせる表現!)が丁寧に描かれています。夕暮れ時の教室に差し込む光の陰影や、雨の日の路地裏の湿った空気感など、シーンごとの「温度」や「湿度」まで伝わってくるようです。
喧嘩のアクションシーンにおいても、その画力は遺憾なく発揮されています。
パンチが当たる瞬間の重み、蹴りのスピード感、痛みが伝わるような衝撃波。静と動のメリハリが効いたコマ割りは、まるで映画のアクションシーンを見ているかのような迫力があります。
暴力的なシーンであっても、そこに美学を感じさせるような構図の妙があり、ただ野蛮なだけではない、男たちのプライドをかけた戦いの神聖さすら漂わせています。
これらの圧倒的なビジュアル表現が、ストーリーのドラマ性をより一層高め、読者を作品の世界へと深く引き込んでいくのです。
昭和レトロな舞台設定が醸し出す「ノスタルジー」と「親密さ」
本作のユニークな点として、現代の高校生を描きながらも、どこか懐かしい昭和レトロな雰囲気が漂っていることが挙げられます。
その中心にあるのが、円の実家である駄菓子屋「かめいや」です。
コンビニやファミレスではなく、あえて「駄菓子屋」を二人の交流の拠点に据えたことは、物語に独特の温かみと親密さを与えています。
店先に並ぶ10円、20円のお菓子。古いゲーム機。近所の子供たちの笑い声。お節介で優しいおばあちゃんの存在。
そうしたアナログでスローな空間は、殺伐とした不良の世界との対比として機能しています。
外の世界では気を張って戦っている二人が、この駄菓子屋に帰ってくると、武装解除されて「ただの少年」に戻る。
ちゃぶ台を囲んでご飯を食べたり、狭い部屋で布団を並べて寝たり。
日本の原風景とも言えるような生活様式が、二人の距離を物理的にも心理的にも近づけていく装置として働いています。
特に「食事」のシーンは印象的です。
誰かと一緒に温かいご飯を食べるということの尊さ。美鶴にとっては、それがどれほど得難い幸せであったか。円の手料理を通して伝わる愛情。
言葉にしなくても、同じ空間で同じ時間を共有し、生活を営むことの積み重ねが、愛を育んでいく過程として丁寧に描かれています。
このノスタルジックな舞台設定は、読者にとっても心地よいものです。
どこか懐かしく、帰ってきたくなるような場所。そこで紡がれる二人の恋は、まるで古い映画のように美しく、私たちの心に染み渡ります。
映画化決定!実写と漫画がリンクするメディアミックスの衝撃
冒頭でも触れましたが、『純愛上等!』は連載開始と同時に実写映画化が発表されるという、異例のスタートを切りました。
これは単なる話題作りではなく、作品の世界観が「実写」というリアリティと親和性が高いことの証明でもあります。
映画版のキャストには、今をときめく若手俳優たちが名を連ねています。
亀井円役には、ダンスボーカルユニット超特急のメンバーとしても活躍する髙松アロハさん。
佐藤美鶴役には、同じくM!LKのメンバーである山中柔太朗さん。
(※キャスト情報は一般的な公開情報に基づきます)
漫画を読みながら、「このシーンをあのアロハさんが演じるのか…!」「この冷たい視線を山中さんが…!」と想像して読むのも、本作ならではの楽しみ方です。
特に七緒先生の描くキャラクターは、骨格や立ち姿が非常にリアルで美しいため、実写の俳優さんが演じても違和感がない、むしろ相乗効果でより魅力が増すようなデザインになっています。
漫画の中で描かれるドラマティックな展開は、そのままスクリーンの大画面で映えるようなスケール感を持っています。
「漫画が原作の映画」というよりも、「映画の脚本のような漫画」と言えるほど、ストーリー構成や演出が洗練されているのです。
2026年の公開に向けて、これから物語がどう加速していくのか。漫画と映画、二つの世界で展開される『純愛上等!』ワールドから目が離せません。
【人物紹介】傷だらけの魂が惹かれ合う、主要キャラクター徹底解剖
物語を彩る魅力的な登場人物たち。彼らの個性と関係性を知れば、物語はもっと深く、もっと熱くなります。
キャラクター名:亀井 円(かめい まどか)「笑顔の仮面を被った、傷だらけの太陽」
【所属】 紅桜高校 3年生(留年決定) / 紅桜のトップ
【通称】 紅の亀
【性格】 明るい、人情家、お兄ちゃん気質、おばあちゃん子
本作の主人公(受け)。
一見すると、悩みなんてなさそうな底抜けに明るいヤンキーです。誰にでも気さくに話しかけ、困っている人がいれば放っておけない。その人柄に惚れ込み、多くの不良たちが彼の背中を追いかけます。
しかし、その笑顔は、過去の傷を隠すための精一杯の「仮面」でもあります。
2年前、兄が襲撃された事件をきっかけに、彼は自分の無力さを痛感し、心に深いトラウマを負いました。「もう誰も傷つけたくない」「大切な人を失いたくない」。その恐怖心が、彼を「喧嘩も恋愛もしない」という誓いへと駆り立てました。
留年が決まってしまうという少し抜けた一面もご愛嬌。勉強は苦手だけど、生きる力や人を愛する力に溢れた、人間味あふれるキャラクターです。
美鶴との出会いによって、彼が再び自分の足で立ち上がり、過去を乗り越えようとする姿は、涙なしには見られません。
キャラクター名:佐藤 美鶴(さとう みつる)「氷の城に閉じこもる、美しき孤独な王」
【所属】 白岩高校 2年生 / 白岩のトップ
【通称】 白の鶴
【性格】 クール、無口、一匹狼、喧嘩最強
もう一人の主人公(攻め)。
円とは1学年下の2年生ですが、その実力で白岩高校の頂点に君臨しています。
彼の特徴は、徹底した「個」の強さ。誰ともつるまず、誰にも頼らず、たった一人で全てをねじ伏せる圧倒的な力を持っています。その姿は美しくも、見ていて痛々しいほどの孤独を漂わせています。
円の家に転がり込んだ当初は、心を閉ざし、円の干渉も拒絶していました。しかし、円の無償の優しさに触れるうち、氷解していくように表情が柔らかくなっていきます。
実は彼には、円に近づいた「ある目的」があります。それは彼自身の過去や生い立ちにも関わる重要な秘密。
円に対してだけ見せる独占欲や、年下特有の甘え、そしていざという時に見せる絶対的な頼もしさ。知れば知るほど沼にハマる、魔性の魅力を持ったキャラクターです。
キャラクター名:本田 健斗(ほんだ けんと)「美鶴を信奉する、忠実な右腕」
【所属】 白岩高校 2年生
【関係】 美鶴の幼馴染
美鶴の幼馴染であり、彼を崇拝に近い感情で慕っている存在です。
美鶴の強さとカリスマ性に誰よりも早く気づき、彼こそが白岩のトップにふさわしいと信じて疑いません。美鶴のためなら汚れ役も厭わないような危うさも持っていますが、その根底にあるのは純粋な忠誠心と友情です。
円と美鶴の関係が変化していく中で、彼の存在がどのように物語に作用していくのか、重要なキーパーソンの一人です。
『純愛上等!』をもっと知るためのQ&A
これから読み始める方が抱きがちな疑問に、一問一答形式でお答えします。
Q1: この作品に原作の小説などはありますか?
いいえ、本作は小説やゲームなどを原作としない、七緒先生による完全オリジナルの漫画作品です。
つまり、先の展開を知っている人は作者と編集者以外に誰もおらず、読者全員が同じタイミングでハラハラドキドキしながら最新話を待っている状態です。
「原作既読勢によるネタバレ」を恐れることなく、リアルタイムで物語の熱狂に参加できるのは、オリジナル作品ならではの醍醐味です。漫画ならではのコマ割りによる演出や、ページをめくるタイミングでの驚きなどが計算され尽くした作品ですので、ぜひ漫画そのものを楽しんでください。
Q2: どのような人におすすめの作品ですか?
この作品は、以下のような方に特におすすめです。
- ストーリー重視の方: 単なる恋愛描写だけでなく、キャラクターの背景、過去の因縁、人間関係の変化などが緻密に描かれており、読み応えのある重厚なドラマを求めている方に最適です。
- 「ヤンキーもの」が好きな方: 『クローズ』や『東京リベンジャーズ』のような、熱い男たちの友情や戦いが好きな方にも刺さる要素が満載です。
- ギャップ萌えに弱い方: 「強気な受け」と「クールな攻め」が、恋をして崩れていく様を見たい方にはたまりません。
- 普段BLを読まない方: 人間ドラマとしての完成度が高いため、BLというジャンルに馴染みがない方でも、一つの青春映画を見るような感覚で楽しめます。
Q3: 作者の七緒先生はどんな方ですか?過去の代表作は?
七緒(ななお)先生は、登場人物の心のひだを丁寧に描く心理描写と、色気と美しさを兼ね備えた画風で高く評価されている漫画家さんです。
これまでの代表作には、社会人同士の恋愛を描いた**『ノンケ上司、30日の開発メソッド』や、『佐久間くんと多喜くん、結婚するらしいよ』**などがあります。
これまではスーツを着た大人の男性(リーマンもの)を描かれることが多かった先生ですが、本作ではその筆致を生かしつつ、高校生ならではの未完成な危うさや、爆発するような若さを見事に表現されています。
「エロティックな描写」と「切ないストーリー」のバランス感覚が絶妙で、読者の心を鷲掴みにする名手です。
Q4: 暴力的なシーンや怖い描写は多いですか?
「ヤンキー漫画」という設定上、喧嘩のシーンや流血表現、過去の事件にまつわるシリアスな描写は含まれています。
しかし、これらは決して暴力そのものを賛美したり、過度に残酷さを売りにするためのものではありません。キャラクターたちが抱える痛みや葛藤、そしてそれを乗り越えるための「通過儀礼」として描かれています。
七緒先生の絵柄が美しいため、暴力シーンであってもどこか品があり、不快感を与えるようなグロテスクな描写とは一線を画しています。
「ストーリー上の必然性があるアクション」として楽しめる範囲だと思いますが、極端に流血が苦手な方は、少し心の準備をしておくと良いかもしれません。
Q5: 現在、単行本は何巻まで出ていますか?
記事執筆時点での情報となりますが、2025年11月に**『純愛上等! 上』『純愛上等! 下』**という形で、上下巻のコミックスが発売されています。
また、電子書籍配信サイト「コミックシーモア」などで先行配信や分冊版の配信も行われています。
物語は続いていくため、今後の続刊情報にも要注目です。上下巻で一気に読めるボリューム感と、続きが気になる引きの強さは、週末のイッキ読みに最適です。
Q6: 「純愛」要素と「ヤンキー」要素のバランスはどうですか?
非常に絶妙なバランスで配合されています。
序盤は、両校の対立関係や円の過去など「ヤンキー」要素強めで物語が動き出しますが、同居生活が始まると「純愛」要素がじわじわと浸透してきます。
喧嘩で傷ついた体を癒やすシーンや、敵対関係にあるがゆえの「ロミオとジュリエット」的な障害が、二人の恋をより燃え上がらせるスパイスになっています。
「甘いだけのBLじゃ物足りない」「殺伐としただけのヤンキー漫画じゃ疲れる」という、欲張りな読者の願いを叶えてくれる、奇跡のバランスと言えるでしょう。
さいごに:今、この「純愛」を目撃せよ
ここまで、長文にお付き合いいただきありがとうございました。
『純愛上等!』という作品の魅力が、少しでも皆様に伝わっていれば幸いです。
私たちは大人になるにつれて、「純粋であること」の難しさを知っていきます。
計算したり、妥協したり、傷つかないように予防線を張ったり。
でも、この物語に出てくる円と美鶴は、どこまでも不器用で、どこまでも真っ直ぐです。
彼らは傷つくことを恐れながらも、それでも誰かを愛することを止められません。
その姿は、私たちがいつの間にか忘れてしまった「何か」を思い出させてくれるような気がします。
喧嘩上等。
純愛上等。
どんなに泥だらけになっても、どんなに血を流しても、貫きたい想いがある。
そんな彼らの生き様は、読む人の背中を押し、明日に向かう勇気をくれるはずです。
2026年の映画公開を前に、今こそ原作漫画を手に取る絶好のチャンスです。
ぜひ、あなたも「紅桜」と「白岩」、二つの色が混じり合うその瞬間を目撃してください。
そして、ティッシュ(またはハンカチ)を用意して、彼らの愛の行方を見届けてください。
きっと、読み終わった後には、世界が少しだけ優しく、鮮やかに見えるようになっているはずです。
『純愛上等!』、自信を持っておすすめできる、傑作です!


