『お世話させていただきます! 犬猫保護施設の奮闘記』徹底レビュー:笑いと涙で綴る、命の現場のリアル

お世話させていただきます! 犬猫保護施設の奮闘記 エッセイ
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みなさん、こんにちは。

最近、テレビやSNSで「保護猫」や「保護犬」という言葉を見かける機会が本当に増えましたよね。ペットショップで新しい家族を迎えるのではなく、保護施設から引き取るという選択肢が、少しずつ、でも確実に私たちの社会に浸透してきているのを感じます。それはとても素晴らしい変化ですし、動物たちにとっても希望の光が広がっていると言えるでしょう。

けれど、ふと疑問に思うことはありませんか?

「保護施設って、実際にはどんな場所なんだろう?」

「そこで働くスタッフやボランティアの人たちは、毎日どんな活動をしているの?」

「『かわいそう』なだけじゃない、リアルな日常ってどんなもの?」

ニュースや短い動画では伝えきれない、保護施設の「空気感」や「熱量」。それを知りたいと思っても、なかなか現場に足を運ぶのはハードルが高いと感じる方も多いかもしれません。

そんな皆さんに、今回自信を持っておすすめしたい一冊があります。それが、『お世話させていただきます! 犬猫保護施設の奮闘記』です。

この作品は、単なる動物愛護の啓発漫画ではありません。自然豊かな森の中にある実在の動物保護施設を舞台に、そこで繰り広げられる「ドタバタ」で「愛おしい」毎日を、ユーモアと優しさたっぷりに描いたコミックエッセイなのです。

著者は、なんと高野山真言宗の僧侶であり、心理カウンセラーでもある塩田妙玄さん。そして、その原作を温かみのあるタッチで漫画化したのが、オノユウリさんです。この異色のタッグが描くのは、綺麗事だけではない、汗と泥と、そして涙にまみれた「命の現場」の真実です。

今回は、この注目の新作漫画について、その魅力を余すところなく、たっぷりとご紹介していきます。これから保護犬・保護猫を迎えたいと考えている方はもちろん、「ただ動物が好き!」という方、そして日々何かに奮闘している全ての方に読んでいただきたい内容です。コーヒーでも飲みながら、ゆっくりとお付き合いください。

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基本情報

まずは、この作品を手に取る前に知っておきたい基本的な情報を整理しておきましょう。書店での予約や検索、電子書籍サイトでのチェックに役立ててください。

今回の作品は、朝日新聞出版から発行されています。Web漫画媒体である「ソノラマ+」や「アサコミ」などで連載・配信されているエピソードをまとめた一冊となります。

以下の表に、書籍のスペックをまとめました。

項目詳細情報
作品タイトルお世話させていただきます! 犬猫保護施設の奮闘記
漫画オノユウリ
原作塩田妙玄(しおた・みょうげん)
出版社朝日新聞出版
掲載レーベルソノラマ+ / アサコミ
発売日2025年12月5日
判型A5判並製
ページ数192ページ
定価1,210円(税込)

発売日は2025年12月5日となっており、冬の読書にぴったりのタイミングで登場します。192ページというボリュームは、読み応えがありながらも、週末に一気に読めるちょうど良いサイズ感ですね。

また、電子書籍版も充実しており、各ストアで試し読みや単話配信が行われています。「まずは最初の数ページを読んでみたい」という方は、スマホですぐにチェックできるのも嬉しいポイントです。

特筆すべきは、著者の塩田妙玄さんとオノユウリさんのコンビネーションです。お二人は以前にも『ペットの声が聞こえたら』という作品でタッグを組んでおり、そちらも動物たちの心の声に耳を傾ける感動的な内容で高い評価を得ています。前作のファンの方にとっては待望の新作ですし、今回初めて知る方にとっても、信頼できる著者陣による作品と言えるでしょう。

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概要

では、この漫画がどのようなテーマで描かれているのか、その全体像(概要)について深掘りしていきましょう。

『お世話させていただきます! 犬猫保護施設の奮闘記』は、タイトル通り、動物保護施設での「奮闘」を描いたエッセイ漫画です。しかし、ここで言う「奮闘」とは、単に「仕事が大変だ」という愚痴ではありません。それは、言葉の通じない動物たちと心を通わせようとする「知恵比べ」であり、消えそうな命を繋ぎ止めようとする「戦い」であり、そして個性豊かな彼らに振り回される「喜び」でもあります。

舞台設定と視点

物語の舞台は、街の喧騒から離れた、自然豊かな森の中にある動物保護施設です。ここには、さまざまな事情で保護された犬や猫たちが暮らしています。

読者は、この施設でボランティアスタッフとして働く「妙玄さん」の視点を通じて、施設の日常を追体験することになります。

本作が描く「3つのリアル」

この作品の概要を語る上で外せないのが、以下の3つの「リアル」です。

  1. お世話のリアル「可愛い」だけでは済まされないのが保護活動です。大量の排泄物の処理、終わりのない掃除、噛みつかれたり引っかかれたりするハプニング。そうした肉体的なハードさが、コミカルなタッチで、しかし隠すことなく描かれています。
  2. 命のリアル施設には、元気な子ばかりが来るわけではありません。保健所から引き取られた殺処分寸前の子、重い病気を患って捨てられた子、高齢で介護が必要な子。本作は、そうした「生と死」が隣り合わせにある環境を、真摯な眼差しで捉えています。
  3. 人間模様のリアル動物たちだけでなく、そこで働くスタッフたちの姿も本作の重要な要素です。彼らがどのような想いで活動し、どのような葛藤を抱え、そして動物たちの笑顔にどう救われているのか。スタッフたちの「仕事」としての側面にもスポットライトが当てられています。

「保護猫・保護犬への関心は高まっているが、実際の生活は知られていない」という現状に対する、一つの回答のような作品と言えるでしょう。読者はページをめくるごとに、保護施設という場所が「かわいそうな場所」ではなく、「命が輝く場所」であることを実感していくはずです。

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あらすじ

ここでは、作中で描かれる具体的なエピソードをいくつかピックアップし、どのようなストーリーが展開されるのかをご紹介します。この漫画は、大きな一つの事件を追う長編ストーリーというよりは、施設で起こる日々の出来事をテーマごとに切り取ったオムニバス形式(エピソード形式)で構成されています。

主人公の妙玄さんは、普段は僧侶やカウンセラーとして活躍していますが、施設に来ればジャージ姿のボランティアスタッフ。朝から晩まで、息つく暇もなく動き回る彼女の目を通して、以下のようなシーンが描かれます。

ごはんやり:戦場のような愛の時間

数百頭もの動物たちが暮らす施設において、「ごはん」の時間はまさに戦場です!

それぞれの子に合わせたフード(療法食やアレルギー対応食など)を間違えずに配膳するだけでも至難の業。その上、早く食べたくて大合唱する犬たち、足元に絡みついて催促する猫たち、好みの缶詰じゃないと食べないとハンガーストライキするグルメな子…。

「早く食べて~!」「こぼさないで~!」と叫びながら駆け回るスタッフたちの姿は、大変そうですが、どこか楽しげでもあります。動物たちの「生きる意欲」が爆発する瞬間を描いた、エネルギーに満ちたエピソードです。

看病とお世話:医療現場としての側面

保護施設は、生活の場であると同時に、医療ケアの現場でもあります。

投薬、点滴、傷の処置。ボランティアといえども、獣医師の指示のもとで専門的なケアを行う場面も少なくありません。

嫌がる猫になんとか薬を飲ませようと工夫したり、体調を崩した犬のそばで徹夜で見守ったり。

「元気になってほしい」という一心で手を尽くすスタッフの姿と、それに応えて回復していく動物たちの生命力には、胸が熱くなります。

重症猫を保護:緊迫のレスキュー

物語は穏やかな日常だけではありません。時には、緊急の保護依頼が舞い込みます。

交通事故に遭った猫や、虐待を受けた疑いのある犬、飼育放棄されて瀕死の状態にある子。

「重症猫を保護」するエピソードでは、一刻を争う緊迫した状況が描かれます。ボロボロの状態で運ばれてきた小さな命を前に、妙玄さんたちが祈るような気持ちで処置を行うシーンは、読む人の心を揺さぶります。

きれいごとではない、保護活動の過酷な一面を伝える重要なパートです。

保健所から犬を引き取る:運命の分かれ道

「保健所から犬を引き取る」というエピソードも、本作の大きな見どころです。

殺処分の期限が迫った犬たちを迎えに行くため、保健所へ足を運ぶ妙玄さんたち。檻の中で怯えきった犬たちの瞳、そして連れ帰る車内での緊張感。

施設に到着し、初めて人の優しさに触れて少しずつ表情を和らげていく犬たちの変化は、涙なしには見られません。「保護」という行為が、一匹の動物の運命を劇的に変える瞬間を目撃することができます。

老猫の介護・病気との闘い

施設には、若い子だけでなく、高齢の動物たちもたくさん暮らしています。

「老猫の介護」のエピソードでは、寝たきりになったり、認知症のような症状が出たりした猫たちに、どのように寄り添うかが描かれます。

体を拭き、床ずれを防ぎ、最期の時までその子らしく過ごせるように尊厳を守る。

そこには、悲しみだけでなく、長い時間を生き抜いてきた命へのリスペクトと、穏やかな愛情の交流があります。

これらのエピソードを通じて、読者は妙玄さんと一緒に笑い、怒り、悲しみ、そして感動しながら、保護施設の「リアルな一年」を体験することになるのです。

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魅力

『お世話させていただきます! 犬猫保護施設の奮闘記』には、他の動物漫画にはない独自の魅力がたくさん詰まっています。ここでは、特に注目したいポイントを4つの視点から解説します。

1. 僧侶 × 心理カウンセラーという異色の視点

原作者の塩田妙玄さんは、高野山真言宗の僧侶であり、心理カウンセラーという非常にユニークな経歴をお持ちです。さらに、トリマーやペットライターとしての経験もあり、動物と心のエキスパートと言えます。

このバックグラウンドが、作品に独特の深みを与えています。

例えば、死にゆく動物を看取る場面での宗教者としての死生観や、トラウマを抱えた保護犬の心に寄り添うカウンセラーとしての視点。単なる「動物好き」の枠を超えた、魂レベルでの交流や洞察が随所に散りばめられており、読者の心に深く響くメッセージ性を生み出しています。

「動物の言葉がわかることがある」という塩田さんの不思議な感性も、物語にスピリチュアルで温かい彩りを添えています。

2. オノユウリさんの「親しみやすさ」と「表現力」

どれほど重いテーマでも、読者が最後まで読み進められるのは、漫画を担当するオノユウリさんの画力のおかげです。

オノさんの描く動物たちは、とにかく表情が豊かです。嬉しい時のキラキラした目、怒っている時のイカ耳、しょんぼりした背中。セリフのない動物たちの感情が、絵を通してダイレクトに伝わってきます。

また、シリアスな場面とコミカルな場面のバランスが絶妙で、悲惨な状況を描きながらも、どこかに「救い」や「光」を感じさせる表現力があります。この柔らかいタッチがあるからこそ、保護施設の厳しい現実も、目を背けずに受け止めることができるのです。

3. 「かわいそう」から「愛おしい」への転換

保護施設というと、どうしても「かわいそうな動物たちがいる場所」というイメージが先行しがちです。しかし、この作品はそのイメージを心地よく裏切ってくれます。

確かに、彼らがここに来るまでの経緯は悲しいものかもしれません。でも、施設で暮らす彼らは、決して不幸なだけの存在ではありません。

スタッフに甘えたり、仲間と遊んだり、ご飯をねだったり。そこには、私たちと同じように「今を生きる」彼らのたくましい姿があります。

この漫画を読むと、彼らに対して抱く感情が「同情」から「尊敬」や「愛おしさ」へと変わっていくのを感じるはずです。「保護犬・保護猫って、こんなに可愛いんだ!」という発見こそが、この作品の最大の魅力かもしれません。

4. 知ることで生まれる「支援の形」

「何か協力したいけれど、自分には何ができるかわからない」と感じている方にとって、この作品は素晴らしいガイドブックになります。

現場で何が大変で、何が必要とされているのか。物資の支援なのか、寄付なのか、あるいはただ関心を持つことなのか。

漫画を通じて具体的な活動内容を知ることで、「自分にもできること」が見えてきます。

読書という体験を通じて、間接的に保護活動に参加しているような感覚になれるのも、この作品の持つ力の一つです。

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キャラ紹介

この物語を彩る、個性的で魅力的なキャラクターたちをご紹介します。

妙玄さん(みょうげんさん)

本作の主人公であり、原作者・塩田妙玄さんの分身となるキャラクターです。

役割:森の中にある動物保護施設のボランティアスタッフ。

本職:高野山真言宗の僧侶、心理カウンセラー。

性格:

非常に情に厚く、涙もろい性格。動物たちの幸せのためなら、寝る間も惜しんで働きます。

僧侶としての落ち着いた一面を持ちつつも、動物たちの予期せぬ行動には「なんでやねん!」とツッコミを入れたり、脱走しようとする犬を必死で追いかけたりと、コミカルな一面も持ち合わせています。

動物の心の声が聞こえることがあり、その声に耳を傾けながら、彼らのトラウマや苦しみを癒やそうと奮闘します。読者にとって最も感情移入しやすい、等身大のガイド役です。

施設のスタッフ・ボランティア仲間

妙玄さんと共に働く仲間たちも登場します。

具体的な名前は作品を読んでのお楽しみですが、彼らは皆、動物への熱い想いを共有する同志です。

力仕事を担当する頼れるスタッフ、猫の扱いに長けたベテランボランティア、医療ケアをテキパキこなす仲間など。

それぞれの得意分野を活かして連携プレーで命を守る姿は、まさに「チーム・レスキュー」。彼らの献身的な姿に、きっと励まされることでしょう。

保護犬・保護猫たち(主役たち)

そして、この物語の真の主役は、施設で暮らす数え切れないほどの犬や猫たちです。

彼らの特徴:

一匹一匹が、異なるバックグラウンドと個性を持っています。

人間不信で隅っこから出てこない元野犬、甘えん坊すぎてスタッフの作業を妨害する猫、病気と闘いながらも懸命にご飯を食べる老犬…。

彼らに名前があり、性格があり、好みがあること。その当たり前の事実が、丁寧に描かれています。

特定の「タマ」や「ポチ」といった名前が事前に公開されているわけではありませんが、作中では彼らとの具体的なエピソードがたっぷりと語られます。読めばきっと、あなたの心に残る「推しアニマル」が見つかるはずです。

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Q&A

作品について、そして保護施設について、よくある疑問や気になるポイントをQ&A形式でまとめました。

Q1. 読んでいて辛くなるような、残酷な描写はありますか?

A. 虐待や事故など、動物たちが保護される背景には悲しい事実がありますが、この作品では過度に残酷な描写で読者を怖がらせるようなことはありません。

オノユウリさんの温かい絵柄と、塩田妙玄さんのユーモアを交えた語り口によって、厳しい現実も受け入れやすい形で表現されています。涙が出る場面もありますが、それは悲しさだけでなく、命の輝きや人の温かさに触れた時の感動の涙であることが多いです。安心して読んでいただけます。

Q2. 動物を飼ったことがない人でも楽しめますか?

A. もちろんです! むしろ、動物と暮らしたことがない方にこそ読んでいただきたい作品です。

「ごはんやり」や「トイレ掃除」といった日常のケアがどれほど大変で、同時にどれほど楽しいか。動物と生きることのリアルを知る良いきっかけになります。専門用語も少なく、誰にでも分かりやすく描かれているので、予備知識は必要ありません。

Q3. 前作『ペットの声が聞こえたら』との違いは何ですか?

A. 前作『ペットの声が聞こえたら』も同じコンビによる作品ですが、そちらは「動物の心の声」や「供養」といったテーマに重点が置かれていました。

今作『お世話させていただきます!』は、より「保護施設の日常業務」や「お世話の現場」にフォーカスした「奮闘記」となっています。

もちろん、両方の作品に共通して流れているのは、動物への深い愛情です。どちらから読んでも楽しめますが、両方読むことで、著者・塩田妙玄さんの活動の全貌がより深く理解できるでしょう。

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さいごに

ここまで『お世話させていただきます! 犬猫保護施設の奮闘記』について、長文にお付き合いいただきありがとうございました。

このレポート記事を書くにあたり、改めて感じたことがあります。

それは、保護施設という場所が、決して「社会の片隅にある暗い場所」ではないということです。そこには、私たちと同じように悩み、笑い、そして懸命に生きる人間と動物たちの、温かくて騒がしい日常があります。

著者の塩田妙玄さんとオノユウリさんは、この作品を通じて、私たちにこう語りかけているように思えます。

「かわいそうな動物を助けてあげて」というメッセージ以上に、「彼らと向き合う毎日は、こんなにも大変で、こんなにも豊かで、面白いんだよ」と。

保護犬や保護猫を迎えることは、簡単なことではないかもしれません。でも、もし迎えることができなくても、彼らのことを「知る」だけで、世界は少しずつ変わっていきます。

この漫画は、その「知る」ための最初の一歩として、最高の一冊です。

2025年の冬、こたつに入って温かい飲み物を片手に、森の中の保護施設へと思いを馳せてみませんか?

ページをめくれば、そこには一生懸命に生きる犬や猫たちの、愛おしい姿が待っています。

読み終わった後、きっとあなたの心には優しい灯がともり、道ですれ違う犬や猫たちのことが、今までよりも少しだけ愛おしく感じられるはずです。

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