『強迫性障害とともに生きてみた。』20年の実体験から生まれた、心のお守り的コミックエッセイ

強迫性障害とともに生きてみた。 不安が軽くなる30のヒント エッセイ
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「もしかして、考えすぎ?」その不安、この一冊が軽くしてくれるかもしれません

「家の鍵、ちゃんとかけたかな?」「さっきの自分の発言、誰かを傷つけていないかな?」

一度気になりだすと、頭の中で同じ考えがぐるぐると回り続けて、他のことが手につかなくなる…。そんな経験はありませんか。

多くの人が日常的に感じるこうした不安も、度を越すと「やめたいのに、やめられない」苦しみへと変わることがあります。今回ご紹介するのは、そんな「行き過ぎた心配性」ともいえる強迫性障害(OCD)と20年以上向き合ってきた、つくしゆかさんのコミックエッセイ『強迫性障害とともに生きてみた。 不安が軽くなる30のヒント』です。

この本は、難しい専門書ではありません。著者自身の壮絶な体験を通して見つけ出した、不安と上手に付き合い、毎日を少しでも楽に生きるための温かいヒントが詰まった、心のお守りのような一冊です。もしあなたが今、消えない不安や生きづらさを感じているなら、この本がそっと隣に寄り添ってくれるかもしれません。

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漫画「強迫性障害とともに生きてみた。」基本情報

まずは本書の基本的な情報をご紹介します。

項目内容
タイトル強迫性障害とともに生きてみた。 不安が軽くなる30のヒント
著者つくし ゆか
出版社ラグーナ出版
ジャンルコミックエッセイ、ノンフィクション
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どんな漫画?―作者自身の20年の体験から生まれた、心のお守り

本書は、著者であるつくしゆかさんが、強迫性障害を発症してから現在に至るまでの約20年間の体験を赤裸々に描いたコミックエッセイです。

「家の施錠確認がやめられない」「何度も手を洗わないと気が済まない」といった具体的な症状との格闘、それによって引き起こされる苦しい日常、そして、その中でいかにして生き延びてきたかというリアルな記録が、優しくも力強いタッチで綴られています。

この本の最大の特徴は、単なる闘病記ではない点です。著者が長い年月をかけて編み出した、不安を軽くするための具体的な考え方や行動のヒントが「30のヒント」として惜しみなく紹介されています。それはまさに、暗闇の中を手探りで歩んできた人だからこそ語れる、信頼できる言葉の数々です。読者にとっては、情報としてだけでなく、困難な状況を生き抜くための「お守り」のような存在になるでしょう。

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終わらない確認と不安の日々―あらすじ

この物語は、つくしゆかさん自身の人生の軌跡そのものです。

物語の始まりは、彼女が19歳で看護学生だった頃に遡ります。看護師として働き始めてから、その症状はより顕著になりました。衛生観念から始まった手洗いは、日に日にエスカレートし、時には20分も洗い続けるほどに。鍵やガスの元栓の確認がやめられず、家を出るのに1時間以上かかり、手のひらから血が滲むこともありました。

職場では同僚から理解されず孤立し、「ダメ人間」というレッテルを貼られているように感じ、ついには上司から専門医の受診を勧められます。診断を受けてもすぐには改善せず、薬を飲んでも不安は消えません。人に症状を知られるのが怖くて「変な人だと思われたくない」と、必死に普通を装う日々は、彼女の心をすり減らしていきました。

そんな彼女に転機が訪れます。一つは、カウンセラーからの「『過去』を軸に生きているから『未来』が不安になる。『いま』を軸に生きてみては?」という言葉。そしてもう一つが、自身の病気を理解してくれず、確執さえあったお父様の死でした。抗っても避けられない死を目の当たりにし、「どんなに怖いと思っていても、起こっちゃうものは起こっちゃうんだ」という、ある種の諦めと受容の境地に達します。

これらの気づきは、彼女を縛り付けていた「完璧でなければならない」「自分でコントロールしなければならない」という強迫観念から、少しずつ解放していきました。そして、幼い頃からの夢だった「絵を描くこと」に再び向き合ったとき、彼女の人生は新たな道を歩み始めるのです。

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この本が特別な理由―3つの魅力

数あるメンタルヘルスの本の中でも、本書が多くの人の心を惹きつけるのには理由があります。

壮絶な実体験から生まれた「本物の言葉」

本書で語られるエピソードは、すべて著者が実際に体験したことです。「戸締りの確認で1時間かかり手から出血した」「人を車で轢いたかもしれないと不安になり、何度も現場に戻って確認した」といったエピソードは、想像を絶する苦しみを物語っています。時には「いっそ死んでしまおうか」とさえ考えたという、その壮絶な経験から紡ぎ出される言葉だからこそ、同じように苦しむ人の心に深く、そして確かな重みをもって響くのです。

専門書が苦手でもスラスラ読める「漫画の力」

強迫性障害というテーマは、文章だけで読むと重く感じてしまうかもしれません。しかし、本書はコミックエッセイという形式をとることで、そのハードルを大きく下げています。読者からは「丁寧でかわいいイラスト」という声も上がっており、デフォルメされたキャラクターたちが深刻な内容を柔らかく伝えてくれます。これにより、当事者はもちろん、これまで関心がなかった人でも、抵抗なくページをめくり、病気への理解を深めることができるのです。

明日から試せる「具体的な30のヒント」

本書は精神科医・原田誠一氏も推薦しており、「長年の経験を通してつくしさんが編み出した『ヒント』が、惜しげもなくてんこ盛りで披露されていて圧巻」と評しています。これらのヒントは、単なる精神論ではありません。著者が試行錯誤の末に見つけ出した、不安と付き合うための「創意工夫」が詰まっています。ある読者が「強迫性障害に限らず生きるヒントが散りばめられていた」と語るように、その内容は、生きづらさを感じるすべての人にとって、明日を生きるための具体的な処方箋となるでしょう。

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心に響く名場面と、背中を押す言葉

本書には、読者の心を揺さぶり、勇気づける場面や言葉が散りばめられています。

見どころ:人生観を変えた、父との別れ

本書の根幹をなすエピソードの一つが、お父様との別れです。生前、父はゆかさんの病気をなかなか理解してくれず、彼女はそんな父をずっと嫌っていました。しかし、癌で余命宣告を受けた父が懸命に病と闘い、亡くなっていく姿を見て、彼女は大きな気づきを得ます。「どんなに抗っても、頑張っても、死ぬときは死ぬんだ。どんなに怖いと思っていても、起こっちゃうものは起こっちゃうんだ」。この出来事は、あらゆることを自分の力でコントロールしようともがいていた彼女に、「どうにもならないこともある」という真実を教えました。この諦めにも似た受容こそが、彼女を過剰な確認行為から解放する大きな一歩となったのです。

名言:「抱えている荷物を捨てなくていいんだよ」

本書が伝える最も温かいメッセージの一つが、この言葉です。「抱えている荷物を捨てなくていいんだよ。とりあえず、ポンって置ける場所や人は絶対にあるから、心配しないで」。これは、不安や悩みを無理に消し去ろう、克服しようと戦うのではなく、ありのままの自分を受け入れようという考え方です。荷物(不安)を抱えたままでもいい。ただ、時にはそれを降ろして休める場所や人を見つければいい。このメッセージは、「治さなきゃ」というプレッシャーに苦しむ多くの人の心を、ふっと軽くしてくれるはずです。

心の処方箋:好きなことを見つける大切さ

母親の勧めで看護師の道に進んだゆかさんですが、彼女の心の中にはいつも「イラストレーターになりたい」という幼い頃からの夢がありました。苦しみのどん底にいた彼女が再び立ち上がるきっかけとなったのが、まさにその「絵を描く」という行為でした。SNSに投稿した漫画が「とてもわかります」と共感を呼んだことで、彼女は自分の経験が誰かの役に立つことを知ります。この物語は、治療や薬だけでなく、「好きなこと」「夢中になれること」が、いかに人の心を救い、生きる力になるかを力強く教えてくれます。

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主要キャラクター紹介

この実体験エッセイには、物語を象徴する重要な「キャラクター」たちが登場します。

つくしゆかさん:この物語の主人公であり、あなたの仲間

元看護師で、現在はエッセイ漫画家として活動する本書の著者。19歳で強迫性障害を発症し、20年近くにわたり、その症状と向き合い続けてきました。彼女の正直な告白は、「苦しんでいるのは自分だけじゃないんだ」という安心感を読者に与え、まるで昔からの仲間のように感じさせてくれます。彼女の歩んできた道は、今まさに同じ道で悩んでいる人にとって、確かな道しるべとなるでしょう。

ハッくん:不安をささやく、謎の生き物

本書には、「ハッくん」という謎の生き物のキャラクターが登場します。これは、つくしさんが自身の強迫観念や不安を擬人化した存在です。ゆかさんは、不安が襲ってくると「急にハッくんが現れて不安になる」と表現します。恐ろしい不安を「ハッくん」という少し可愛らしいキャラクターとして客観視することで、不安に飲み込まれるのではなく、「不安という感情が今ここにある」と距離を置いて捉えることができます。これは、自分の感情をコントロールするための、非常に巧みで優しいアプローチと言えるでしょう。

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もっと知りたい!Q&Aコーナー

本書について、さらに詳しく知りたい方のためにQ&A形式でまとめました。

Q1: この漫画に原作はあるのですか?

いいえ、この漫画に原作はありません。本書は、つくしゆかさんご自身の人生で起きた出来事や感じたことを、ありのままに描いた完全オリジナルのコミックエッセイです。彼女の人生そのものが、この物語の「原作」と言えます。

Q2: どんな人におすすめですか?

以下のような方々に特におすすめしたい一冊です。

  • 今まさに強迫性障害や強い不安、心配性に悩んでいる方
  • ご家族やパートナー、友人が強迫性障害で、その苦しみを理解したいと思っている方
  • 医療や福祉の現場で働く方で、当事者の視点を知りたい方
  • 病気の診断はなくても、「生きづらさ」を感じていたり、考えすぎてしまう癖に悩んでいるすべての方

Q3: 作者のつくしゆかさんって、どんな人?

1984年、福岡県生まれのエッセイ漫画家、イラストレーターです。母親の勧めで看護師の道に進み、病院や介護施設で勤務する中で、19歳の時に強迫性障害を発症しました。結婚を機に鹿児島県へ移住後、幼い頃からの夢だった創作活動を本格的に開始。自身の壮絶な体験をユーモアを交えて描いた作品がSNSで反響を呼び、出版に至りました。

Q4: 他のメンタルヘルスの本と何が違いますか?

一番の違いは、「病気に打ち勝つ」という視点ではなく、「病気と共に生きていく」という受容の姿勢を優しく示している点です。多くの本が「克服」を目指す中で、本書は「荷物は捨てなくていい」と語りかけ、完璧ではない自分を受け入れることの大切さを教えてくれます。また、当事者のリアルな体験が漫画という親しみやすい形で描かれているため、専門書のような難しさがなく、心にすっと染み込んでくるのが大きな特徴です。

Q5: 強迫性障害でなくても、読んで意味がありますか?

もちろんです。この本に描かれているのは、強迫性障害という一つの側面を通して見た、普遍的な人間の悩みです。予期せぬ出来事(親の死など)にどう向き合うか、自分の弱さや不完全さをどう受け入れるか、そして困難の中でいかにして喜びや生きがいを見つけるか。ある読者が「生きるヒントが散りばめられている」と評したように、本書は特定の病気を持つ人だけでなく、人生の様々な局面で不安を感じるすべての人に、温かい光を灯してくれるでしょう。

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さいごに:不安と共に「今」を生きるあなたへ

私たちはつい、過去の後悔や未来への不安に心を奪われがちです。つくしゆかさんもまた、「鍵を閉め忘れたかもしれない」という過去へのこだわりと、「火事を起こしたらどうしよう」という未来への不安の間で、長く苦しんできました。

そんな彼女がカウンセラーの言葉をきっかけに見つけ出した、「いま、この瞬間を大切に生きる」という考え方。本書は、そのための具体的なヒントを、彼女自身の人生を通して教えてくれます。

もしあなたが今、重たい荷物を一人で抱えて歩き疲れているのなら、この本を手に取ってみてください。それは、つくしさんが見つけた「荷物をちょっとポンって置ける場所」になってくれるかもしれません。不安がゼロになる日は来なくても、不安と共に、少しだけ軽やかに「今」を生きることはできる。この本は、その確かな希望をあなたに届けてくれるはずです。

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