はじめに:伝説と新鋭、奇跡の融合
漫画界の「伝説」と呼ぶにふさわしい巨匠が、新たな「原作」という戦場で、現代の「新鋭」と共に最高傑作を生み出そうとしています。その「事件」こそが、今回ご紹介する『DRAKEN・CODE 訳ありの竜と呪われた姫』です。
『エリア88』や『ふたり鷹』といった不朽の名作で一時代を築いた、新谷かおる先生。その名を聞くだけで、胸が高鳴る往年のファンも多いことでしょう。
本作『DRAKEN・CODE』は、そんな新谷かおる先生が、緻密な世界の「原作」を手掛け、そこに『アイドルマスターミリオンライブ! 天色のアステリズム』などで美麗かつ繊細な筆致を披露する大北真潤先生が「漫画」として命を吹き込む、まさに世代を超えた奇跡のコラボレーション作品です。
物語の舞台は、「20歳を過ぎた女性は急激に老化し、35歳で寿命が尽きる」という絶望的な呪いがかけられた大陸。
なぜ今、新谷かおる先生は「原作」に挑むのか?
そして、二人の才能が融合した先に、どのような過酷な運命と冒険が待っているのか?
この記事では、主婦と生活社から放たれる、この新たなる王道異世界ファンタジーの計り知れない魅力を、徹底的に解き明かしていきます。
基本情報:『DRAKEN・CODE』基本情報
まずは、本作の基本的な情報を表にまとめました。この作品の「設計図」とも言える布陣をご確認ください。
| 項目 | 内容 |
| 作品名 | DRAKEN・CODE 訳ありの竜と呪われた姫 |
| 原作 | 新谷かおる |
| 漫画 | 大北真潤 |
| 出版社 | 主婦と生活社 |
| 掲載媒体 | コミックPASH! neo |
| ジャンル | 異世界冒険ファンタジー、バトル・アクション |
作品概要:呪われた大陸の過酷な運命
本作の物語は、読者をいきなり絶望の淵に突き落とす、衝撃的な世界観から始まります。
物語の舞台は「西の大陸」。この大陸は、強大な「竜の呪い」にかかっています。
その呪いの内容は、あまりにも無慈悲なものです。
「20歳を過ぎた女性は、急激に老化が進み、35歳で寿命が尽きてしまう」
これは単なるおとぎ話の設定ではありません。この世界に生きる女性たちにとって、それは逃れようのない「現実」です。青春が終わりを告げる「20歳」という年齢は、彼女たちにとって「死へのカウントダウン」の始まりを意味します。
なぜ女性だけなのか? なぜ20歳からなのか?
その理不尽な「タイムリミット」が、物語全体に強烈な切迫感と緊張感を与え、登場人物たちの行動すべてを規定していくのです。
あらすじ:皇女シーマ、決死の旅立ち
この呪われた西の大陸に、「クレカ国」という国があります。
本作の主人公は、そのクレカ国の皇女・シーマ。彼女は現在16歳です。
「20歳」という呪いの発動まで、残された時間はわずか4年。
皇女としての立場、国のしきたり、あるいは周囲の諦観。それらすべてが、彼女の運命を城の中に縛り付けようとします。
しかし、シーマは諦めません。
自らに、そして大陸のすべての女性にかけられた呪いを解くため、彼女は一つの決断をします。
それは、すべてを捨て、たった一人で「こっそり城を抜け出す」こと。
目指すは、呪いの根源とされる「北にいる竜」。
なぜ竜は呪いをかけたのか? 訳ありの竜とは何なのか?
何もかもが謎に包まれたまま、皇女シーマの、文字通り命を懸けた決死の旅が今、始まるのです。
旅の途中、彼女はコロナ、シルフィといったかけがえのない仲間たちと出会い、過酷な運命に共に立ち向かっていくことになります。
魅力、特徴:読者を虜にする5つの引力
本作が、単なる異世界ファンタジーの枠に収まらない「特別な作品」である理由、その5つの魅力について深く掘り下げます。
魅力①:新谷かおる先生の「原作」という新境地
最大の注目点は、新谷かおる先生が「作画」ではなく「原作」にクレジットされている点です。
『エリア88』などで見せた、メカニックの緻密な描き込みや、ページをめくる手を止めさせないダイナミックなコマ割り。自ら「描ける」伝説の漫画家が、あえてそのペンを「物語」と「構成(ネーム)」に集中させています。
2017年を機に、一度漫画家(作画)としての活動を休止された新谷先生。しかし、その創作意欲は衰えるどころか、「漫画の原作」という新たなフィールドで再燃しています。
航空機やカーアクションで培われた「緻密な設定」と「ハードなドラマツルギー」が、ファンタジーという舞台でどのように炸裂するのか。これは、往年のファンにとって、新谷先生の「物語の純粋なエッセンス」を味わう、またとない機会と言えるでしょう。
魅力②:大北真潤先生が描く、現代的で美麗な筆致
その新谷先生の重厚な「原作」を受け止め、現代の読者に叩きつけるのが、大北真潤先生の「漫画」です。『天色のアステリズム』などで証明済みの、華やかで、キャラクターの感情の機微を捉える美麗な筆致が、本作でも遺憾なく発揮されています。
驚くべきは、読者コメントの中に「王女(シーマ)だけ、御大(新谷先生)が描いている気がする」といった声が見られる点です。これは、大北先生がただ絵を描いているのではなく、新谷先生が持つ作風の「魂」や「エッセンス」を深く理解し、ご自身の現代的な画風の中に見事に昇華させている証拠と言えます。
「懐かしい」と感じさせる重厚さと、「今」を感じさせる美麗さ。この奇跡的な「新旧の融合」こそが、本作のビジュアルが持つ最大の引力です。
魅力③:「35歳で死ぬ」という過酷なタイムリミット
「20歳で老化が始まり、35歳で死ぬ」。この設定は、物語のあらゆる側面に影響を与えます。
本作のPV(プロモーションビデオ)では、「#シスターフッド(女性同士の絆)」というタグが使われています。シーマとコロナ、シルフィ、そして旅の途中で出会うであろう女性たちの絆は、この「死」という共通の運命を前にして、より切実に、より美しく輝くに違いありません。
彼女たちの友情、葛藤、そして恋愛は、常に「時間がない」という焦燥感と隣り合わせです。この極限状況下で紡がれる「シスターフッド」は、他のどんな物語よりも切実で、読者の心を強く揺さぶることでしょう。
魅力④:王道ファンタジーと異質な「違和感」
本作は、一見すると「剣と魔法」の王道ファンタジーです。しかし、読み進めると、ある種の「違和感」に気づかされます。
例えば、読者からは「(ファンタジー世界なのに)ボルトとかいう単位出すなよ」といった、世界観のズレを指摘する声も上がっています。
しかし、この「違和感」こそが、新谷かおる先生の仕掛けた「罠」なのです。
先生は過去のインタビューで、ファンタジーは「もう書くことがない」と感じ、あえて「西部劇」を下敷きにしたと語っています。
西部劇が、荒野という「フロンティア」と、蒸気機関車という「文明」が衝突する物語であったように、本作の世界もまた、魔法や竜といった「ファンタジー」と、ボルトのような「科学技術の残骸」あるいは「異世界の常識」が混在・衝突する、独特の「フロンティア」なのかもしれません。
この意図的に仕込まれた「違和感」こそが、本作をありふれた異世界ファンタジーから一線を画す、最大のオリジナリティなのです。
魅力⑤:謎が謎を呼ぶ『訳ありの竜』の正体
そして、最大の謎。それはタイトルにもある『DRAKEN・CODE 訳ありの竜と呪われた姫』の「訳ありの竜」です。
もし竜が単なる邪悪なモンスターであるならば、タイトルは「邪竜」や「魔竜」となったはずです。
あえて「訳あり」と冠した点に、本作の核心が隠されています。
シーマの旅は、竜を「倒す(Slay)」ことが目的なのではなく、竜が呪いをかけなければならなかった「理由(Reason)」と、その背後にある「法典(CODE)」を「解き明かす(Decode)」ことが真の目的である可能性があります。
これは単純な討伐譚ではありません。より深い「ミステリー」の側面を持った、重厚な物語であることを予感させます。
主要キャラクター:運命に抗う者たち
この過酷な物語を牽引する、魅力的な登場人物たちをご紹介します。
シーマ
本作の主人公。呪われた西の大陸にある「クレカ国」の皇女で、16歳。
「20歳まで」というタイムリミットが迫る中、国や民、そして自らの運命を変えるため、王族の身分を隠して「北の竜」を目指す旅に出ます。その瞳には、絶望ではなく、強い決意の炎が宿っています。PVのタグには「#女剣士」ともあり、彼女自身の戦闘能力にも期待が高まります。
コロナ
シーマが旅の途中で出会う仲間の一人。
シーマの旅にどのような影響を与え、どのような「シスターフッド」を育んでいくのか、その背景と共に注目されるキャラクターです。
シルフィ
コロナと共に、シーマの仲間となる人物。
PVのタグには「#エルフっ娘」や「#魔女っ子」といったキーワードも見られ、彼女たちがシーマ(剣士)と共にパーティを組み、魔法や特殊な能力で旅を支えていく、ファンタジーの王道的な魅力も備えていることが伺えます。
Q&A:もっと深く知る『DRAKEN・CODE』
さらに本作を深く楽しむため、読者の皆様が抱くであろう疑問に、Q&A形式でお答えします。
Q1:本作は原作付きの漫画ですか?
はい、その通りです。
『エリア88』などで知られる巨匠・新谷かおる先生が「原作」を担当され、その重厚な物語を、大北真潤先生が美麗な「漫画(作画)」として描き出す、という体制で制作されています。二人の才能が融合した、非常に贅沢な作品です。
Q2:どんな読者におすすめですか?
以下の一つでも当てはまる方には、強くおすすめします。
- 新谷かおる先生の緻密な物語や、ハードな設定が好きな方。
- 大北真潤先生の美麗で表情豊かな画風が好きな方。
- 「35歳で死ぬ」といった、切迫感のあるタイムリミット・サスペンスが好きな方。
- 強い女性たちが絆(シスターフッド)で困難に立ち向かう物語が好きな方。
- 王道の異世界ファンタジーに、一捻りある「謎解き」や「深み」を求める方。
Q3:両先生の経歴と過去の作品を教えて下さい。
新谷かおる先生(原作)
1985年に『エリア88』および『ふたり鷹』で第30回小学館漫画賞を受賞された、日本を代表する漫画家のお一人です。他にも『ファントム無頼』(原作:史村翔)や、女性を主人公にした『砂の薔薇(デザート・ローズ)』など、ジャンルを問わず数々の大ヒット作を生み出し続けています。近年は本作のように、後進に道を譲りつつ「原作」という形で、その比類なきストーリーテリングの才能を発揮されています。
大北真潤先生(漫画)
漫画家として活躍されています。代表作には、大人気コンテンツのコミカライズである『アイドルマスターミリオンライブ! 天色のアステリズム』や、オリジナル作品『夜明け前に死ぬ』などがあり、その確かな画力とキャラクターの魅力的な描写で、多くのファンを獲得しています。
Q4:タイトルにある『訳ありの竜』の「訳」とは何だと思われますか?
これは本作の核心に触れる、非常に重要な質問です。
「訳あり」という言葉は、通常「何らかの複雑な事情」や「やむを得ない理由」を抱えていることを指します。
このことから推察するに、竜は、理由もなく無差別に人間を呪った「邪悪な存在」ではない可能性が非常に高いです。
なぜ、呪いは「西の大陸」だけなのか? なぜ「女性」だけ、それも「20歳から」なのか?
そこには、竜側から見た「正義」や「大義」、あるいは過去に人間が犯した「罪」に対する「罰」としての側面があるのかもしれません。
もしかすると、竜は呪いをかけた張本人であると同時に、大陸の「別の理(ことわり)」や「CODE(法典)」を守る孤独な守護者なのかもしれません。
シーマの旅は、竜を倒して呪いを解くのではなく、竜が提示する「CODE」を理解し、その「訳(理由)」と向き合い、和解あるいは新たな契約を結ぶ物語になるのではないでしょうか。単純な勧善懲悪では終わらない、価値観が反転するような深い「訳」が隠されていると、私たちは推察します。
さいごに:今、読むべき王道冒険譚
『DRAKEN・CODE 訳ありの竜と呪われた姫』は、新谷かおるという「伝説」の重厚な物語と、大北真潤という「現代」の美麗な筆致が、お互いの魅力を最大限に引き出し合いながら融合した、奇跡のような作品です。
「35歳で尽きる」という過酷な運命を背負わされた皇女シーマと、彼女の仲間たち。
彼女たちは、絶望的なタイムリミットの中で、何を見つけ、何を信じ、何と戦うのでしょうか。
そして、彼女たちが直面する『訳ありの竜』が隠し持つ、世界の真実とは何なのか。
重厚で、切実で、そしてどこか新しい。
この壮大な王道冒険ファンタジーの「始まり」を、ぜひあなたご自身の目で見届けてください。
ページをめくるたび、きっとあなたは、シーマたちと共に呪われた大陸を旅する当事者となっているはずです。


