『ヒカルの碁』以来の週刊連載囲碁マンガ『伍と碁』レビュー:「神童」×「挫折」の泥臭いリベンジドラマ!

伍と碁 漫画 復讐
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はじめに:21年ぶりの週刊連載囲碁漫画

「囲碁漫画」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。多くの漫画ファンが、かつて社会現象にもなったあの金字塔的作品を思い出すかもしれません。

しかし、令和の今、その記憶を塗り替える可能性を秘めた、強烈な熱量を持つ作品が登場しました。

講談社「ヤングマガジン」にて連載中の『伍と碁』です。

特筆すべきは、本作が実に「21年ぶりの週刊連載囲碁マンガ」であるという事実です。

ただ、本作は単なる爽やかな青春ストーリーや、囲碁のルールを学ぶための入門漫画ではありません。

本作のキーワードは「神童」、そして「挫折」、何よりも「リベンジ」です。

この記事では、原作:蓮尾トウト先生、作画:仲里はるな先生による『伍と碁』が、なぜ今、熱いドラマを求める漫画ファンにこそ読んでほしい「復讐の物語」なのか、その核心に迫ります。

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『伍と碁』の基本情報(表)

まずは、本作の基本的な情報を表でご紹介します。

項目内容
作品名伍と碁(ごとご)
原作蓮尾トウト(はすお とうと)
作画仲里はるな(なかざと はるな)
出版社講談社
連載媒体ヤングマガジン
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挫折から始まるリベンジ劇

本作のジャンルを定義するならば、「囲碁」はあくまで舞台装置。その本質は「一度すべてを失った神童が、泥沼から這い上がる青春リベンジストーリー」です。

多くのスポーツ漫画や勝負事を描く物語が、「才能のない主人公が努力で這い上がる」か、「隠れた才能が開花する」王道を描くのに対し、本作はその逆を行きます。

主人公は、かつて「神童」と呼ばれ、他を寄せ付けない才能を持っていました。

そんな彼が、完膚なきまでに「挫折」を経験し、「平凡な人生」のまま高校生になります。

本作が追求するのは、一度は「凡人」の烙印を押された者が、失った過去の栄光――「あの頃の、あの無敵感を取り戻すために」再び立ち上がる、特異なカタルシスなのです。

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神童を打ち砕いた「5人の天才」

ここで、物語の核心に触れる「あらすじ」を詳しくご紹介します。

【過去:神童の時代】

主人公の**秋山 恒星(あきやま こうせい)**は、野球もサッカーも勉強も、幼い頃から何をやらせても完璧にこなす「神童」でした。

【転落:囲碁との出会い】

小学6年生になった恒星は、自分の名を世界に轟かせるため、最後に残された分野として「囲碁」の道を志します。

【絶望:5人の天才】

しかし、彼が通い始めた囲碁教室。そこで恒星を待っていたのは、彼の「神童」としての自負、その才能の全てを、文字通り「握り潰す」ほどの圧倒的な実力を持つ、「5人の天才少年少女」でした。

【現在:平凡な高校生】

プライドを完全にへし折られた恒星は、挫折し、囲碁から離れ、「平凡な人生」を選びます。そのまま月日は流れ、彼はどこにでもいる平凡な高校生になりました。

【誓い:リベンジ】

しかし、ある日、彼は再び囲碁と出会ってしまいます。あの日、自分を「凡人」の闇に突き落とした「5人」へのリベンジを誓い、失った「無敵感」を取り戻すため、恒星の戦いが静かに始まるのです。

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『伍と碁』の魅力と独自性

本作のあらすじは、一見すると王道のようにも見えますが、その中身はヤングマガジンらしい、より深く、暗い情熱に満ちています。ここでは、本作ならではの3つの魅力を解説します。

魅力1:主人公が「挑戦者」である熱量

主人公の秋山恒星は、ただの天才ではありません。彼は「元・神童」であり、そのプライドは一度ズタズタにされています。

彼が戦う理由は、「頂点に立つ」というポジティブなもの以前に、「自分は凡人ではない」と証明するため、そして自分を打ち負かした者たちへの「復讐」という、極めて個人的で泥臭いものです。

この「負」のエネルギーから生まれる、煮えたぎるような暗い情熱こそが、読者の心を強く掴む第一の魅力です。彼は勝者ではなく、這い上がろうとする「挑戦者」なのです。

魅力2:囲碁を知らなくても没入できる「心理戦」

「囲碁漫画」と聞くと、「ルールが難しそう」と敬遠してしまう方もいるかもしれません。

実際、レビューの中には「囲碁はマジで説明を見ても分からん」といった声もあります。

しかし、断言します。本作の最大の魅力は、そこではありません。

本作の対局シーンで描かれるのは、盤上の緻密な戦術以上に、相手の心を折り、トラウマをえぐり、動揺させる「心理フェイズ」です。

一部の読者からは「精神攻撃」「心理攻撃?」と評されるほど、本作の勝負は、いかに相手の平常心を奪うか、という「盤外戦」がメインです。

囲碁のルールが分からなくても、キャラクターの表情、焦り、そして常軌を逸した「狂気」の描写だけで、勝負の緊張感を十二分に楽しむことができます。これは、ルールを悪用して相手の精神を破壊する、高度な「勝負師」の物語なのです。

魅力3:仲里はるな先生が描く「狂気」の画力

この強烈な心理戦を支えているのが、作画・仲里はるな先生のシャープで美麗な画力です。

過去作『エンドロールバック』などでも知られる仲里先生の筆致は、キャラクターたちを「漫画的でエキセントリックな印象」に描き出しています。

平凡な日常の風景と、対局中に見せる天才たちの「狂気」じみた思考。その恐ろしいまでのコントラストが、本作のサスペンス性を極限まで高めています。特に、キャラクターの「目」に宿る感情の描写は圧巻です。

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主要キャラクター紹介

ここでは、物語の中心となる人物と、彼が立ち向かう壁について紹介します。

秋山 恒星(あきやま こうせい)

本作の主人公。

かつては何をやらせても完璧だった「神童」。

小学6年生の時、囲碁教室で出会った「5人の天才」に完膚なきまでに敗北し、その才能を「握り潰され」、深い挫折を経験します。

現在は「平凡」な高校生として、過去を隠すかのように生きています。しかし、心の奥底では、失った「無敵感」と、自分を「凡人」にした5人への「リベンジ」の炎を燻らせています。彼の原動力は、輝かしい栄光ではなく、暗い「復讐心」と「渇望」です。

謎の「5人の天才」

恒星が「神童」から「凡人」に堕ちるきっかけとなった、圧倒的な才能を持つ5人の少年少女たち。

彼らは恒星のトラウマの元凶であり、恒星が越えるべき「巨大な壁」として物語に存在しています。

物語は、恒星が彼ら一人ひとりに、どう「リベンジ」を果たしていくのかを追う形で進行していきます。彼らの正体、そして現在の実力は、物語が進むにつれて明らかになっていきます。

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『伍と碁』に関するQ&A

最後に、本作をより深く楽しむためのQ&Aをまとめました。

Q1:原作はありますか?

A1:はい、本作は原作と作画が分かれた体制で制作されています。

『伍と碁』は、蓮尾トウト(はすお とうと)先生が原作(ネーム・物語)を、仲里はるな(なかざと はるな)先生が作画を担当されています。

Q2:どんな読者におすすめですか?

A2:以下の3つのタイプの読者に特におすすめします。

  1. 熱い知能ゲーム・勝負漫画が好きな方
    『ヒカルの碁』以来、骨太な囲碁漫画を待っていた方はもちろん、「囲碁」という題材を使った、手に汗握る真剣勝負の物語を読みたい方。
  2. 「挫折からの這い上がり」が好きな方
    単なる天才の無双ものではなく、「神童」と呼ばれた人物が一度「挫折」し、そこから這い上がる「リベンジ・ストーリー」が好きな方。
  3. ディープな「心理戦」が好きな方
    ルールそのものよりも、相手の裏をかき、精神を揺さぶる「心理戦」や、人間の「業」や「狂気」が描かれる、『カイジ』や『アカギ』に代表されるようなヤングマガジンらしいディープな勝負師の物語が好きな方。

Q3:作者の蓮尾先生、仲里先生はどんな方ですか?

A3:お二人の情報をご紹介します。

原作:蓮尾トウト先生

第511回ヤングマガジン月間新人賞で金城賞、第88回ちばてつや賞ヤング部門で佳作を受賞された、非常に期待されている新鋭の作家さんです。

過去の読み切り作品に『同じ時を生きたい』『その気になれば世界だってぶっ壊せる』などがあり、本作『伍と碁』が待望の連載デビュー作となります。

作画:仲里はるな先生

過去に『エンドロールバック』などの作品を手掛けられており、その美麗かつシャープな絵柄で知られています。

キャラクターの感情、特に本作のテーマである「エキセントリック」な天才たちの内面や、主人公の秘めたる狂気を描く画力が高く評価されています。

Q4:タイトルの「伍」にはどんな意味がありますか?

A4:これは非常に鋭い質問です。タイトルの『伍と碁』は、「ゴとゴ」と読みますが、囲碁の「碁」の他に、人偏(にんべん)に数字の「五」と書く「」という漢字が使われています。

この「伍」という漢字は、軍隊の階級(伍長)や、5人組の「組」を意味することがあります。

作中ではまだこの「伍」の真意は明確に描かれていません。

しかし、あらすじを思い出してください。主人公・恒星のトラウマの元凶は、誰でしたか?

……そう、「5人の天才少年少女」です。

このことから、ファンの間では、「伍」という漢字には、「囲碁」そのものだけでなく、恒星が倒すべき「5人」という集団、あるいは彼らとの「戦い(伍)」という意味が込められているのではないか、と考察されています。

このタイトルが物語の核心にどう関わっていくのか、ぜひ本編で確かめてみてください。

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さいごに:絶望の先にある「無敵感」を

『伍と碁』は、単なる「21年ぶりの囲碁漫画」という枠に収まる作品ではありません。

それは、かつて「神童」と呼ばれた青年が、自分から自信と未来を奪った「5人の天才」に対し、盤上を舞台に「心理戦」を仕掛けていく、熱く、暗く、そしてどこまでも泥臭い「リベンジ・ストーリー」です。

もしあなたが、今の平凡な日々に満足できず、かつての「自分は何にでもなれる」と思っていた、あの「無敵感」を取り戻したいと願ったことがあるなら。

主人公・秋山恒星の戦いは、きっとあなたの心の奥底に眠る「何か」に火をつけるはずです。

ヤンマガWebでは、恒星が「神童」から「凡人」に堕ちる瞬間、そして「復讐鬼」として再起する瞬間を描いた「第一話」が無料で公開されています。

まずは、この強烈な絶望と、そこから生まれる熱いリベンジの第一歩を、ぜひその目で目撃してください。

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