信用度E=社会的な死?宇津江広祐の新作『ブレイクニューワールド』が描く絶望と反逆

ブレイクニューワールド 1 SF
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管理社会系ディストピアの新たな傑作!

突然ですが、みなさんは「自分の価値」が数値化される世界を想像したことはありますか?

朝起きて、何を食べたか、誰と話したか、どんな本を読んだか。そんな些細な日常の行動ひとつひとつが監視され、AIによって採点される。点数が高ければタワーマンションで優雅な暮らしが約束され、逆に点数が低ければ……人間としての権利すら剥奪され、社会のゴミとして処理されてしまう。

「いやいや、そんなSFみたいな話、あるわけないでしょ」と笑えるでしょうか?

実は、現代社会でも「信用スコア」や「SNSのいいね数」など、私たちは知らず知らずのうちに評価され、格付けされています。もしもそのシステムが極限まで進化し、国家による絶対的な支配の道具になったとしたら?

そんな背筋が凍るような「もしも」の世界を描いた衝撃作が、今、漫画アプリ「サイコミ」で話題沸騰中の『ブレイクニューワールド』です。

『LIFE MAKER』や『内藤死屍累々滅殺デスロード』で、読者の度肝を抜く恐怖とエンターテインメントを描いてきた鬼才・宇津江広祐先生が放つ、待望の新作。タイトルからして、「新しい世界を壊す(Break New World)」という強烈なメッセージが込められています。

本作は単なるパニックホラーではありません。理不尽なシステムによって全てを奪われた少年が、謎の少女と共に世界そのものに戦いを挑む、熱くて切ない「ボーイミーツガール」であり、最高にスカッとする「反逆の物語」なのです。

「最近、ありきたりの漫画ばかりで飽きてしまった」

「骨太なストーリーと、独特の画力に圧倒されたい」

「理不尽な社会をぶっ壊すカタルシスを味わいたい」

そんなあなたにこそ、この『ブレイクニューワールド』を強くおすすめしたい!

今回は、まだ始まったばかりのこの作品の魅力を、ネタバレを極力抑えつつ、余すところなく語り尽くしたいと思います。読めば必ず、あなたもキリヤとツバキの共犯者になりたくなるはずです。

それでは、禁断の管理社会へ足を踏み入れてみましょう。

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基本情報

まずは、『ブレイクニューワールド』の基本的な作品データをチェックしておきましょう。

項目内容
作品タイトルブレイクニューワールド
作者宇津江広祐
出版社/レーベル小学館 / サイコミ×裏サンデー
連載媒体サイコミ(Cygames)
連載開始日2025年6月6日
更新頻度毎週金曜日更新
ジャンルSF / サスペンス / ミステリー / 青年漫画 / ディストピア
キーワード信用スコア、管理社会、復讐、ボーイミーツガール、サバイバル
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作品概要

『ブレイクニューワールド』は、Cygamesが運営する漫画アプリ「サイコミ」にて、2025年6月から連載がスタートしたオリジナルのSFサスペンス漫画です。

作者は、独自のホラー描写と予測不能なストーリーテリングでカルト的な人気を誇る宇津江広祐先生。過去作『LIFE MAKER』では「叙情派ホラーエンターテインメント」と銘打ち、人間の狂気と愛憎をドロドロに描いて見せましたが、今作ではその筆致がさらに進化しています。

舞台となるのは、高度なテクノロジーによって統制された近未来の日本(と思われる架空の国)。そこは一見すると犯罪のない平和な理想郷ですが、その実態は「信用度」という絶対的なランク付けによって国民を選別する、冷徹な監視社会でした。

タイトルが、オルダス・ハクスリーの有名なディストピア小説『すばらしい新世界(Brave New World)』と非常に似ていますが、本作のスペルは『Break New World』。つまり、「新世界(理想郷として作られた管理社会)」を「破壊する(Break)」という意味が込められています。古典的名作へのリスペクトを含ませつつ、そこから脱却し破壊しようとするパンクな精神がタイトルからも伝わってきます。

連載開始直後から、その息苦しい世界観設定と、第1話から主人公を襲う容赦ない悲劇、そしてそこからの怒涛の展開がSNSなどで口コミを広げています。特に、現代社会の「息苦しさ」をカリカチュアしたような設定が、多くの読者の共感を呼んでいるようです。

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あらすじ

信用度が全てを決める世界

物語の舞台は、人間の価値が「信用度」によって【A】から【E】の5段階にランク付けされる世界。

この国を支配するのは、絶対的な指導者「ローウェル」。彼が定めたルールは絶対であり、街中に張り巡らされた監視カメラとAI、そして市民同士の相互監視によって、人々の行動は24時間体制で見張られています。

「夜更かしをした」「健康に悪い食事をした」「反体制的な発言をした」「暴力的なコンテンツを見た」

そんな些細なことで信用度は減点されます。ランクが高ければ豊かな暮らしが約束されますが、ランクが下がれば住居を追われ、職を失い、人間扱いされなくなります。人々は減点を恐れ、互いに監視し合い、仮面のような笑顔を貼り付けて「良き市民」を演じていました。

少年キリヤの崩壊

主人公の少年・キリヤは、そんな世界に内心では嫌悪感を抱きつつも、信用度【C】という平凡なランクを維持して生きていました。彼にとって一番大切なのは、女手一つで自分を育ててくれた母親との穏やかな生活を守ること。そのためには、心を殺してでも社会の歯車になるしかなかったのです。

しかし、そのささやかな願いは、ある日突然、無慈悲に踏みにじられます。

キリヤは、信頼していた友人からの裏切りに遭います。身に覚えのない罪を密告され、あるいは友人の罪をなすりつけられ、キリヤの信用度は一気に失墜。それだけではありません。この世界の残酷なルールである「連帯責任」により、母親までもが罪に問われてしまったのです。

目の前で連行されていく母親。行き先は「収容所」。

一度入れば二度と戻っては来られないと言われる、事実上の処刑場です。

「何も悪いことなんてしていないのに」

「ただ真面目に生きていただけなのに」

理不尽なシステムと、それを盲信して自分たちを切り捨てた社会への絶望。全てを失ったキリヤの心には、どす黒い憎悪の炎が燃え上がります。

運命の出会い、そして反逆へ

絶望の淵で、世界そのものを呪っていたキリヤの前に、一人の少女が現れます。

彼女の名はツバキ。

その信用度は、人間として扱われないはずの最下層、【E】ランクでした。

しかし、彼女の瞳は死んでいませんでした。社会のゴミとして排除されるはずの彼女は、誰よりも強く、美しく、そしてこの世界の「嘘」を見抜いていました。

「私と一緒にローウェルを殺そう」

その言葉は、悪魔の囁きか、それとも救済の福音か。

ツバキはキリヤに手を差し伸べます。失うものがなくなった少年と、社会から抹殺された少女。二人は手を取り合い、絶対的支配者ローウェルと、この狂った世界システムそのものをぶっ壊すための、無謀で孤独な戦いに身を投じることになります。

限界監視社会をぶっ壊せ。

戦慄のボーイミーツガールが、今、幕を開ける――。

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魅力、特徴

息が詰まるほどのリアリティ!現代社会を風刺した「信用スコア」の恐怖

『ブレイクニューワールド』の最大の魅力は、なんといってもその設定の「嫌なリアリティ」にあります。

「信用度でランク付けされる」という設定は、SFでありながら、私たちの現実と地続きの恐怖を感じさせます。

現代でも、就職活動でのSNSチェック、ローンの審査、マッチングアプリでのスペック評価など、私たちは常に何らかの形で「査定」されています。この漫画の世界は、それを国家レベルで、かつ命に関わるシステムとして極端化したものです。

「昨日の夜、コンビニでカップ麺を買った」→「健康管理ができていないから減点」

「道で転んだ人を助けなかった」→「道徳性が低いから減点」

そんなことで人生が狂ってしまう理不尽さ。読んでいるだけで息苦しくなるような閉塞感は、まさに現代社会のカリカチュア(風刺)です。

読者は、キリヤが感じる「常に誰かに見られている恐怖」や「一度レールを外れたら終わりというプレッシャー」を我がことのように追体験することになります。このヒリヒリするような緊張感が、ページをめくる手を止めさせません。

「自分ならランクいくつだろう?」と考えずにはいられない、没入感の高い世界観が構築されています。

宇津江広祐先生が描く「絶望」と「狂気」の表情

『LIFE MAKER』でも高く評価された宇津江広祐先生の画力は、本作でも遺憾なく発揮されています。

特にすごいのが、キャラクターたちの「表情」です。

母親を奪われた時のキリヤの、魂が抜け落ちたような虚無の表情。

裏切った友人が見せる、罪悪感と自己保身が入り混じった醜い歪んだ顔。

そして、ヒロイン・ツバキが見せる、ゾクッとするほど冷徹で美しい殺意の眼差し。

宇津江先生は、人間の負の感情――絶望、憎悪、恐怖、狂気――を描くのが本当に上手い(褒め言葉です)。

この漫画は「恐怖」を描く作品ですが、幽霊やモンスターが出るわけではありません。一番怖いのは「人間」であり「社会システム」です。無機質な監視カメラのレンズと、感情を爆発させる人間たちの対比が、画面全体に強烈なコントラストを生み出しています。

「ホラーエンターテインメント」の旗手としての手腕が、ディストピアSFというジャンルでさらに研ぎ澄まされているのを感じます。

抑圧からの解放!全てを破壊するカタルシス

序盤の展開は、正直に言ってかなり「胸糞(むなくそ)」が悪いです。

真面目な主人公がこれでもかというほど酷い目に遭い、信じていたものに裏切られる。読者のストレスも限界まで溜まります。

しかし、だからこそ、キリヤが反逆を決意した瞬間のカタルシス(解放感)が凄まじいのです!

「もうルールなんて守らなくていい」

「いい子でいる必要なんてない」

キリヤが優等生の仮面を脱ぎ捨て、世界に中指を立てる瞬間。それは、社会の理不尽さに耐えている私たち読者の代弁でもあります。

監視カメラを破壊し、追っ手のドローンを撃墜し、エリート気取りの市民たちを出し抜く。その暴れっぷりは、まさに「ブレイク(破壊)」。

ただの逃亡劇ではなく、明確に「支配者を殺す」という攻撃的な目的を持った戦いである点が、この作品を熱いバトルサスペンスに昇華させています。

「倍返し」どころではない、世界転覆レベルの復讐劇。その爽快感を味わいたくて、ついつい続きを読んでしまうのです。

謎多きヒロイン・ツバキとの「共犯関係」

ディストピアものに欠かせない要素、それが「ボーイミーツガール」です。

孤独な少年と、謎めいた少女の出会い。王道ですが、この作品ではその関係性が非常にスリリングです。

ツバキは単なる「守られるヒロイン」ではありません。むしろ、キリヤを修羅の道へと引きずり込む「ファム・ファタール(運命の女)」的な側面を持っています。

彼女はなぜランクEなのか? なぜあんなに強いのか? そしてなぜローウェルを狙うのか?

彼女の正体自体が、この世界の根幹に関わる大きな謎になっています。

極限状態の中で、背中を預け合う二人。そこにあるのは甘いロマンスというよりは、血と硝煙の匂いがする「共犯者の絆」です。

世界中が敵という状況で、たった一人、自分を理解してくれるパートナー。この切なくも強固な信頼関係が、殺伐としたストーリーの中で尊い輝きを放っています。二人の関係がどう変化していくのかも、大きな見どころの一つです。

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主要キャラクターの簡単な紹介

物語を彩る(というか世界を壊す)二人の主人公について、もう少し詳しく紹介しましょう。

キリヤ:優等生をやめた復讐の反逆者

キャッチコピー:全てを奪われ、修羅へと堕ちた心優しき少年

本作の主人公。茶髪で、一見するとどこにでもいそうな普通の少年です。

もともとは争いを好まず、母親思いの優しい性格でした。社会システムに疑問を持ちつつも、波風を立てずに生きる処世術を身につけていました。信用度【C】は、まさに彼の「普通であろうとした努力」の証でした。

しかし、その優しさが仇となり、裏切りに遭います。母親を収容所送りにされたことで、彼の世界は一変。

「優しくても、正しくても、この世界では意味がない」

そう悟った彼は、心の奥底に眠っていた激しい怒りを解き放ちます。

作中で彼が見せる、覚悟を決めた時の鋭い眼光は必見です。弱者が強者に噛みつく、ジャイアント・キリング的なかっこよさがあります。

ツバキ:闇に咲く一輪の破壊者

キャッチコピー:信用度Eの烙印を背負う、美しきテロリスト

本作のヒロイン。黒髪のロングヘア(表紙などで確認できるビジュアル)が特徴的な、ミステリアスな美少女です。

信用度は最低ランクの【E】。通常、Eランクは人間扱いされず、社会から隔離・排除されるはずですが、彼女はなぜか街の中を自由に(隠れながら)動き回っています。

身体能力が非常に高く、サバイバル術や戦闘知識にも長けている様子。

絶望して座り込んでいたキリヤに「私と一緒にローウェルを殺そう」と声をかけ、彼の手を引きます。

感情を表に出すことは少ないクールな性格ですが、時折見せるローウェルへの執着心は異常なほど。彼女の過去に何があったのか、物語の鍵を握る最重要人物です。

ローウェル:絶対的支配者

キャッチコピー:神として君臨する冷酷な独裁者

この国を支配する統治者。全てのルールを作り、信用度システムを運用している張本人です。

現段階では謎の多い存在ですが、国民からは畏怖の対象であり、逆らうことは死を意味します。

キリヤとツバキの最終標的であり、この狂った世界の創造主。彼がなぜこのようなシステムを作ったのか、その真意も気になるところです。

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Q&A

ここからは、これから『ブレイクニューワールド』を読もうと思っている方が気になるであろうポイントを、Q&A形式で解説します。

Q1: 原作となる小説やアニメはありますか?

いいえ、本作は宇津江広祐先生による完全オリジナルの漫画作品です。

タイトルが、1932年に出版されたオルダス・ハクスリーの有名なSF小説『すばらしい新世界(原題:Brave New World)』と非常に似ていますが、直接的な原作関係はありません。

ただし、小説『すばらしい新世界』も、人間が工場で製造されランク付けされる管理社会を描いた作品ですので、本作のタイトルは明らかにその小説を意識した(そしてそれを「Break(破壊)」するという)オマージュであると考えられます。小説版を知っていると、よりタイトルの意味深さを楽しめるかもしれません。

また、マーベル映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』ともタイトルが似ていますが、全く無関係ですのでご注意ください。こちらは純度100%の日本漫画です。

Q2: どんな人におすすめの漫画ですか?

ズバリ、以下のような要素が好きな方にはクリティカルヒットするはずです。

  • 『PSYCHO-PASS サイコパス』や『1984年』のような管理社会SFが好きな方。
  • 理不尽な状況からの大逆転、復讐劇(リベンジもの)でスカッとしたい方。
  • 『約束のネバーランド』や『進撃の巨人』のような、世界の謎を解き明かすサスペンスが好きな方。
  • 「ボーイミーツガール」×「サバイバル」という組み合わせに燃える方。
  • 人間の暗部を描く、少しダークな心理描写を楽しめる方。

サイコミ連載作品ですが、少年漫画というよりは青年漫画に近い、重厚でシリアスな読み応えがあります。

Q3: 作者の宇津江広祐先生は他にどんな作品を描いていますか?

宇津江広祐先生は、これまでにも強烈なインパクトを残す作品を描いてこられました。

代表作の一つ『LIFE MAKER』は、未知のウイルスと人間の愛憎をテーマにしたパニックホラーで、その容赦ない展開が話題を呼びました。

また、『内藤死屍累々滅殺デスロード』という、タイトルからして凄まじい作品も手掛けています。

共通しているのは、極限状態における人間の心理描写の巧みさと、ホラーとエンタメを融合させる手腕です。本作『ブレイクニューワールド』は、先生の得意とする「絶望的状況」の描写がさらにスケールアップしており、ファンにとっても待望の新作と言えます。

Q4: アニメ化の可能性はありますか?

現時点ではアニメ化の予定などの公式発表はありません(まだ連載が始まったばかりですしね!)。

ただ、サイコミ作品は『明日、私は誰かのカノジョ』や『異世界美少女受肉おじさんと』など、話題作が次々とアニメ化・ドラマ化されている実績があります。

本作も、テーマの社会性やストーリーの引きの強さ、そしてアクション要素など、映像映えする要素が満載です。今後の人気次第では、アニメ化も十分にあり得るポテンシャルを秘めていると思います。古参ファンを名乗るなら、今のうちに読んでおくのが吉です!

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さいごに

「あなたには生きる価値がありますか?」

『ブレイクニューワールド』は、そんな根源的な問いを私たちに突きつけてくるような作品です。

信用スコアというシステムは、効率的で安全な社会を作るかもしれません。しかし、そのために「人間らしさ」や「自由」が犠牲になるとしたら?

キリヤとツバキの戦いは、単なるローウェル倒しではありません。それは、人としての尊厳を取り戻すための戦いです。

圧倒的な絶望から始まる物語だからこそ、二人が反撃の狼煙(のろし)を上げる瞬間の輝きは、読む人の心に強く焼き付きます。

まだ物語は始まったばかり。

世界を敵に回した少年と少女が、この先どんな結末を迎えるのか。

その「新しい世界」の夜明けを、ぜひあなた自身の目で目撃してください。

今夜、ポテトチップスを食べながら夜更かしして漫画を読む。そんな「不健康」で「自由」な幸せを噛みしめながら、ぜひ『ブレイクニューワールド』の世界に浸ってみてください(くれぐれも信用度を下げられないようにご注意を……)。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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