阪元裕吾ワールド全開!田舎娘の殺し屋ライフが幕を開ける
みなさんは「上京」した経験はありますか?
夢と希望を詰め込んだ段ボール箱、期待と不安が入り混じる夜行バス、そして東京駅のホームに降り立った瞬間のあの独特の匂いと熱気。
地方出身者なら誰もが一度は通る、人生の大きな分岐点ですよね。
「東京で一旗揚げてやる!」
「おしゃれなカフェで優雅にランチしたい!」
「満員電車って都市伝説じゃないの?」
そんなキラキラした(あるいは少し勘違いした)思いを抱いて、私たちは大都会・東京という名のダンジョンに挑むわけです。
さて、今回ご紹介するのは、そんな甘酸っぱい「上京物語」……ではありません。
いや、上京物語ではあるのですが、主人公の職業がちょっと特殊なんです。
彼女の仕事は、なんと「殺し屋」。
2025年12月16日、一迅社より待望の第1巻が発売されたばかりの話題作、その名も「上京コロシヤ娘」。
もうチェックされましたか?
もし「まだ読んでいない」「タイトルは聞いたことあるけど……」という方がいれば、声を大にして言わせてください。
「今すぐ読んでください! そして一緒に語り合いましょう!」と。
なぜ私がここまで熱量を込めて推すのか。
それは、この作品が単なる「殺し屋マンガ」の枠に収まらない、とてつもないポテンシャルを秘めているからです。
原作を手掛けるのは、映画『ベイビーわるきゅーれ』シリーズや『最強殺し屋伝説国岡』で、日本のアクション映画界に革命を起こした若き天才・阪元裕吾監督。
映画ファンの間では「阪元ユニバース」とも呼ばれる独自の世界観を持つ彼が、初めて「漫画原作」というフィールドで、その才能を遺憾なく発揮した完全オリジナル作品なのです。
主人公は、田舎でのんびりと家業(=殺し)を営んでいた女の子、玉磨野千晴(たまみの・ちはる)。
彼女がある日突然、母親から「新しい男ができたから」という理不尽すぎる理由で家を追い出され、右も左も分からない東京へと放り出されるところから物語は始まります。
「東京の家賃、高すぎない?」
「殺しの仕事って、どうやって探すの?」
「ていうか、死体の処理って都会だとどうすんの? 山がないじゃん!」
地方出身者なら思わず「わかる~!」と頷いてしまう「上京あるある」と、殺し屋ならではの「バイオレンスな悩み」が奇跡の融合を果たした、かつてない「上京サバイバル・アクションコメディ」。
それが「上京コロシヤ娘」なのです。
この記事では、作品の基本情報からあらすじ、そして何と言ってもその独特すぎる魅力やキャラクターについて、映画監督・阪元裕吾の作家性や、作画を担当するオノ・マサユキ先生の意外な正体(!?)にも触れながら、1万字を超えるボリュームで徹底的に解説していきます。
阪元作品のファンの方はもちろん、「最近笑える漫画がないな~」と探している方、「春から新生活で不安……」という方にも、ぜひ最後まで読んでいただきたい内容です。
さあ、千晴ちゃんと一緒に、カオスで刺激的、そしてちょっぴり切ない東京ライフへ飛び込みましょう!
基本情報
まずは、本作を手に取る前に知っておきたい基本的な情報を表にまとめました。
書店や電子書籍ストアで探す際の参考にしてくださいね。
特に、今回は「原作」と「作画」の組み合わせが非常に特殊かつ豪華ですので、そこにも注目です。
| 項目 | 内容 |
| タイトル | 上京コロシヤ娘(じょうきょうころしやむすめ) |
| 原作 | 阪元裕吾(さかもと・ゆうご) |
| 漫画・著 | オノ・マサユキ / 八貫徹世 |
| 出版社 | 一迅社 |
| レーベル | HOWLコミックス |
| ジャンル | 青年マンガ / アクション / コメディ / ギャグ / 日常系バイオレンス |
| 連載媒体 | comic HOWL(コミックハウル) / ニコニコ漫画 |
| 備考 | 『ベイビーわるきゅーれ』監督・阪元裕吾による初の完全オリジナル漫画原作 |
作品概要
ここでは、なぜこの作品が今これほどまでに注目されているのか、その背景にある「文脈」を少し深掘りしてみたいと思います。
「ただの漫画紹介じゃ物足りない!」というコアなファンの皆様、お待たせしました。
映画監督が挑む「漫画」という新境地
本作の最大のトピックは、やはり「原作:阪元裕吾」という点に尽きます。
阪元裕吾監督といえば、1996年生まれという若さながら、自主映画時代から圧倒的なバイオレンス描写と、それとは対照的な「ゆるい日常会話」のセンスで注目を集めてきたクリエイターです。
特に2021年に公開された映画『ベイビーわるきゅーれ』は、低予算映画ながら口コミで爆発的なヒットを記録。女子高生殺し屋コンビ「ちさと」と「まひろ」の、社会不適合なルームシェア生活と、ガチすぎるガンアクション&格闘術(シラット)のギャップに、多くの観客が脳天を撃ち抜かれました。
阪元作品の魅力は、一言で言えば「殺し屋を職業として描くリアリティ」にあります。
彼の描く殺し屋たちは、決してゴルゴ13のような超人でもなければ、ジョン・ウィックのような復讐の鬼でもありません。
公共料金の支払いに悩み、人間関係に疲れ、バイトのシフトに文句を言い、ファミレスでダラダラと駄弁る。私たちとなんら変わらない「生活者」なのです。ただ、彼らの仕事が「殺し」であるという一点を除いては。
この「上京コロシヤ娘」も、その「阪元イズム」を色濃く受け継いでいます。
映画という媒体では、役者の身体性や即興芝居が生み出す「生っぽい空気感(ライブ感)」が魅力でしたが、漫画という媒体ではどうなるのか?
多くのファンが固唾を飲んで見守っていましたが、結論から言うと、「漫画ならではのテンポ感」と「阪元節」が見事に化学反応を起こしています。
映画では尺の都合でカットせざるを得ないような細かい心理描写や、漫画的な表現(デフォルメされた表情や、吹き出しによるツッコミ)が加わることで、阪元ワールドの解像度がさらに高まっているのです。
「映画監督が片手間で書いた原作」では決してありません。漫画というフォーマットを最大限に活かしつつ、映像的なダイナミズムも盛り込んだ、まさに「読むアクション映画」。それが本作の立ち位置なのです。
異色のタッグ!俳優が描く漫画!?
そしてもう一つ、忘れてはいけないのが作画を担当するオノ・マサユキ先生と八貫徹世先生の存在です。
実はこのオノ・マサユキ先生、阪元裕吾監督の映画ファンならピンとくる名前かもしれません。
そう、阪元作品の常連俳優であり、『最強殺し屋伝説国岡』や『黄龍の村』などで強烈な個性を放っていた俳優・伊能昌幸(いのう・まさゆき)さんと同一人物(あるいは、限りなく近しい関係にある人物)なのです!
俳優として「殺し屋」を演じてきた人間が、今度はペンを持って「殺し屋」を描く。
こんな漫画、聞いたことがありません。
だからこそ、描かれるアクションシーンの「重心の置き方」や「関節の極め方」、そしてキャラクターの「立ち姿」に、嘘のないリアリティが宿るのです。
映画の現場で培った「阿吽の呼吸」が、原作と作画の間で完璧に共有されている。これが、本作が他のコミカライズ作品とは一線を画す、圧倒的なクオリティの源泉となっています。
あらすじ
それでは、具体的な物語の導入部分をご紹介しましょう。
田舎の空気感と都会の冷たさ、そのコントラストを想像しながら読んでみてください。
物語の舞台は、日本のどこかにある、山と田んぼに囲まれたのどかな田舎町。
コンビニまでは車で20分、夜になればカエルの合唱しか聞こえないような場所で、主人公の玉磨野千晴(たまみの・ちはる)は生まれ育ちました。
千晴は、一見するとどこにでもいる20歳の女の子。
高校を卒業してから2年、特に定職に就くこともなく、実家でゴロゴロしながら、たまに地元のイオンモール(的な場所)へ出かけては時間を潰す日々。
夢なし、彼氏なし、刺激なし。
でも、住み慣れた実家は居心地がいいし、お母さんのご飯は美味しいし、地元のヤンキー友達との会話も楽ちん。
「このままずっと、この町で、この家で、死ぬまで生きていくんだろうな~」
千晴はぼんやりと、しかし確信を持ってそう考えていました。
しかし、彼女には一つだけ、他人には言えない秘密がありました。
それは、彼女の家系が代々続く「殺し屋一家」であること。
千晴にとって、ターゲットを始末することは、農家が野菜を収穫したり、漁師が魚を獲ったりするのと変わりません。
朝起きて、ご飯を食べて、依頼が来たら人を殺して、帰ってきてお風呂に入る。
それが彼女の「日常」であり、生活の一部でした。
そんな平穏(?)な日々は、ある日の夕食時、唐突に終わりを告げます。
食卓を囲んでいた母親が、味噌汁をすすりながら爆弾発言を投下したのです。
「私、新しい男ができたの。だから千晴、家を出てって」
「……は?」
母親いわく、再婚相手との甘い新生活を始めるにあたり、無職(表向き)で家業を手伝っているだけの娘は邪魔だというのです。
あまりに理不尽、あまりに身勝手な通告。
しかし、殺し屋の家系らしく、母親の決定は絶対的でした。
「東京に行きなさい。東京なら、人も多いし、殺しの仕事もたくさんあるでしょ?」
抵抗も虚しく、千晴はわずかな手切れ金と、愛用の武器が入った重たいキャリーケースを持たされ、東京行きの夜行バスに乗せられてしまいます。
見慣れた景色が後ろへと流れていく中、千晴の胸に去来するのは、不安と、怒りと、そしてほんの少しの期待。
翌朝、彼女が降り立ったのは、日本の首都・東京。
人口1400万人、コンクリートジャングル、欲望と犯罪が渦巻く巨大都市。
田舎の「顔見知りしかいない世界」から、誰も自分のことを知らない「冷たい都会」へ。
「人が多すぎて酔う……」
「ていうか、東京で殺し屋ってどうやって営業すんの? 飛び込み営業?」
「武器持って山手線乗れるわけ? 職質されたら終わりじゃん!」
「家賃8万って正気!? こっちなら一軒家借りられるよ!?」
上京初日から、千晴を襲うカルチャーショックの嵐。
満員電車の洗礼、複雑怪奇な地下鉄路線図、やたらと高い物価、そして冷淡な都会の人々。
さらに、東京には田舎とは比べ物にならないほど凶悪で、組織化された「同業者」たちがひしめき合っていました。
田舎ののんびり殺し屋・千晴は、この弱肉強食のコンクリートジャングルで生き残ることができるのか?
そして、憧れの(?)キラキラしたシティライフを手に入れ、母親を見返すことができるのか?
銃弾とギャグが飛び交う、千晴の波乱万丈な上京物語が、今、幕を開けます!
魅力、特徴
あらすじを聞いただけでも「なんだか大変そう……」と同情してしまいますが、この漫画の真骨頂は、その悲惨な状況を笑い飛ばす「たくましさ」と「ゆるさ」にあります。
ここからは、私が実際に読んで感じた本作の3つの大きな魅力について、深掘りしていきます。
阪元裕吾流「脱力系」会話劇の妙
本作最大の特徴であり、最大の魅力。それは間違いなく「会話」です。
一般的なアクション漫画やバトル漫画では、戦闘中に「貴様のその技、見切った!」とか「俺の悲しい過去を知れ!」といった、かっこいい(時に大袈裟な)セリフが飛び交いますよね。それはそれで熱いのですが、阪元作品において、そんな劇的なセリフはほとんど登場しません。
代わりに描かれるのは、あまりにもリアルで、どうでもよくて、思わず吹き出してしまうような「日常会話」です。
例えば、ターゲットを待ち伏せしている最中の会話。
普通なら緊張感が高まるシーンですが、本作のキャラたちはこんな話をしています。
「あー、今日ゴミ出し忘れたわ」
「燃えるゴミ? 明日出せば?」
「いや、明日祝日じゃん。回収ないんだよ、東京のカレンダー複雑すぎ」
「うわ、最悪じゃん。生ゴミ?」
「そう、昨日の魚の骨。絶対臭うわー。ターゲットより臭うわー」
……と、こんな会話が延々と続きます。
これから人を殺そうとしている緊張感など微塵もありません。
でも、これこそが「殺し屋を仕事として淡々とこなすプロ」のリアリティなのです。
私たちだって、大事なプレゼンの前に「今日のランチ何食べようかな」と考えたりしますよね?
あの感覚が、殺し屋という非日常な設定の中に持ち込まれることで、強烈なシュールさと笑いが生まれるのです。
「上京コロシヤ娘」でも、このノリは健在です。
千晴が直面するトラブルに対して、彼女が吐くリアクションがいちいち面白い。
「東京の人、歩くの速すぎない? 全員トイレ我慢してんの?」
「駅の出口A1とかB3とか多すぎ。ここダンジョン? ボスどこ?」
といった、田舎者ならではのツッコミが冴え渡ります。
シリアスな状況であればあるほど、彼女の口から出る「生活感あふれる愚痴」が笑いを誘います。この「緊張と緩和」のバランスが絶妙で、読んでいるうちに千晴のことが友達のように思えてくるのです。
都会の厳しさ×殺し屋のリアル
「上京モノ」の漫画は数あれど、「殺し屋が上京する」という設定が加わるだけで、ここまで世界が新鮮に見えるのかと驚かされます。
普通の上京物語なら、「友達ができるかな」「仕事が見つかるかな」という悩みが主軸になりますが、千晴の条件はさらに特殊です。
彼女の直面する「東京の壁」は、すべてが命がけ(あるいは逮捕直結)です。
- 物件探し:普通の女子なら「オートロック」「駅近」「バストイレ別」を希望しますが、千晴の条件はさらに特殊です。「防音完備(銃声や悲鳴が漏れないように)」「床がフローリング(血痕が掃除しやすいように)」「一階は避ける(逃走経路の確保と、侵入防止)」「管理人が干渉してこない」これらを不動産屋に伝えた時の、店員の引きつった笑顔と、千晴の真剣な表情の対比は必見です。
- 通勤:ライフルケース(中身は本物)を抱えて満員電車に乗るストレス。痴漢に遭っても、うかつに手を出せば反射的に相手の喉を潰してしまうかもしれないという葛藤。「東京の殺し屋、みんなどうやって移動してんの? まさかタクシー? 経費出るの?」という素朴な疑問が、読者の笑いを誘います。
- 死体処理:田舎なら「裏山に埋める」で済みましたが、東京には埋める山がありません。あるのはアスファルトとコンクリート、そして無数の監視カメラだけ。「東京、隠す場所なさすぎ問題」に直面した千晴が、どうやって証拠を隠滅し、完全犯罪を成し遂げるのか。そのアイディアには、ミステリー的な面白さもあります。
このように、私たちが普段何気なく過ごしている東京の風景が、殺し屋の視点を通すことで「攻略難度の高いサバイバルフィールド」として再定義されるのです。
ファンタジーな設定なのに、描かれている悩みは妙に世知辛い。この「地に足のついたファンタジー」こそが、大人の読者に刺さるポイントなのです。
爽快感MAX!キレのあるアクション描写
ギャグや会話劇について多く語ってきましたが、忘れてはいけないのがアクションのクオリティです。
ここは、さすが「アクション映画のプロ」が作っているだけあると唸らされます。
原作の阪元監督は、アクションの設計図(コレオグラフィ)に並々ならぬこだわりを持っています。そして、その意図を汲み取り、紙の上に再現するオノ・マサユキ先生の作画力が凄まじいのです。
本作のアクションシーンは、とにかく「見やすい」そして「痛そう」です。
何が起きているか分からないようなごちゃごちゃした描写は一切ありません。
キャラクターの動線、視線の誘導、打撃のインパクトの瞬間が、非常にクリアに描かれています。
千晴は普段はダラダラとした無気力女子ですが、いざ戦闘スイッチが入ると、目つきが一変します。
田舎で培った(野生に近い?)荒々しい戦闘スタイルで、洗練された都会の殺し屋たちを翻弄していく様は、まさに痛快の一言。
華麗な体術だけでなく、身の回りにある日用品(コンビニ袋、スマートフォン、時には道端のゴミまで!)を武器にしたり、地形を活かしたゲリラ戦法を使ったりと、アイディア満載のバトルが展開されます。
「ギャグ漫画だと思って油断してたら、アクションがガチすぎてビビった」
そんな読者の声が聞こえてきそうなほど、バトルのクオリティは一級品です。
かわいい女の子が、舐めてかかってくる男たちを容赦なくぶっ飛ばす。そのカタルシスは、日頃のストレス解消にもってこいですよ!
主要キャラクターの簡単な紹介
物語を彩る、一癖も二癖もあるキャラクターたち。
ここでは、序盤に登場する主要人物を簡単にご紹介します。
玉磨野千晴(たまみの・ちはる):脱力系・上京キラー
キャッチコピー:「東京の水、なんかカルキ臭くない? あと人多すぎ」
本作の主人公。田舎の殺し屋一家の次女。黒髪のロングヘアに、やる気のないジト目がトレードマーク。
性格は基本的にマイペースで面倒くさがり。上昇志向はゼロで、できれば実家で一生ニート同然の生活を送りたかった、現代的な若者気質の持ち主。
しかし、殺しの腕は超一流。幼い頃から母親による英才教育を受けており、銃火器の扱いはもちろん、素手での格闘(CQC)も強い。
東京のおしゃれなカフェや服に憧れはあるものの、根が田舎者なので注文の仕方が分からずオドオドしてしまう可愛らしい一面も。
彼女の視点を通して語られる「東京への悪態」は、本作の最大のコメディ要素です。
千晴の母:最強の毒親(?)にして師匠
キャッチコピー:「新しいパパとの生活に、お前はいらないの。わかるわね?」
千晴を東京へ追放した張本人。見た目は優しそうな田舎のお母さん(割烹着が似合う)だが、言っていることは極悪非道。
自分自身の幸せ(と新しい男)を最優先する、ある意味で清々しいほどのエゴイスト。
千晴にとってはトラウマレベルの存在だが、同時に殺し屋としての技術をすべて叩き込んだ師匠でもある。
今のところ回想シーンでの登場が主ですが、その圧倒的なプレッシャーは物語全体に影を落としています。物語の後半で、千晴の前に立ちはだかる「ラスボス」になる可能性も……?
都会の殺し屋たち:ビジネスライクな敵役
キャッチコピー:「田舎モンが、東京の流儀(ルール)を教えてやるよ」
千晴が東京で出会う同業者や敵対組織の人間たち。
彼らは「殺し」を「ビジネス」として捉えています。
スタイリッシュなスーツを着こなし、インカムで連携を取り、最新のガジェットやドローンを駆使するスマートな殺し屋たち。
契約書の遵守、縄張り争い、組織のヒエラルキーなど、面倒くさいルールに縛られています。
泥臭い戦い方をする千晴を最初は「田舎の素人」と侮っていますが、その予測不能な動きと、ルール無用の暴れっぷりに次第に追い詰められていく。
エリート意識の高い彼らが、千晴のペースに巻き込まれ、調子を狂わされていく様子は、まさに「ざまぁ」展開の連続で見どころの一つです。
Q&A
「面白そうだけど、まだちょっと気になる点が……」という方のために、よくある質問をQ&A形式でまとめました。
これを読めば、安心して読み始められますよ!
Q1: 原作があるかどうかの情報
いいえ、小説や他媒体の原作はありません。
本作は、映画監督の阪元裕吾氏がこの漫画のために書き下ろした完全オリジナルストーリーです。
映画『ベイビーわるきゅーれ』の世界観と似た雰囲気(同じ日本、同じような殺し屋業界の設定)はありますが、ストーリー上の直接的な繋がりはない独立した作品ですので、映画を見たことがない方でも問題なく楽しめます。
もちろん、映画ファンならニヤリとするような小ネタ(同じブランドの武器が出てくる、など)が含まれている可能性は大いにありますので、探してみるのも楽しいでしょう。
Q2: おすすめの対象
以下のような方には特におすすめです!
- 映画『ベイビーわるきゅーれ』『最強殺し屋伝説国岡』が好きな方: 原作者が同じなので、面白さは保証付きです。
- 『ザ・ファブル』や『SAKAMOTO DAYS』が好きな方: 「殺し屋×日常」というジャンルが好きな方なら、間違いなくハマります。
- 現在、地方から上京して一人暮らしをしている(またはする予定の)方: 千晴の苦労に共感し、勇気をもらえるはずです。
- 日々の仕事に疲れていて、スカッとする漫画を読みたい社会人の方: 理不尽な敵をぶっ飛ばす千晴の姿は、最高のストレス解消になります。
Q3: 作者情報・過去の作品
原作の阪元裕吾(さかもと・ゆうご)さんは、1996年生まれの映画監督です。
20代という若さで、暴力とコメディを融合させた独自の作風を確立し、カルト的な人気を博しています。
主な監督作には『ベイビーわるきゅーれ』シリーズ、『最強殺し屋伝説国岡』、『黄龍の村』、『ある用務員』などがあります。
作画のオノ・マサユキさんは、前述の通り阪元作品の常連俳優・伊能昌幸さんの別名義とされており、漫画家としてもその異才を発揮しています。
この「監督×主演俳優」のコンビが漫画を作るというのは、業界でも極めて珍しいケースです。
Q4: グロテスクな描写は多いですか?
殺し屋を題材にしているため、流血表現や銃撃戦、格闘による暴力描写は当然あります。
ただ、ホラー漫画のような陰惨なグロさや、精神的に追い詰められるような不快な描写は控えめです。
あくまで「アクション映画」的な、カラッとしたエンターテインメントとしての暴力描写が中心です。
映画で言うと、R15+指定のアクション映画が見られる方なら問題ないレベルでしょう。
とはいえ、人が死ぬシーンは出てきますので、血を見るのが極端に苦手な方は、まずは無料の試し読みで雰囲気を掴んでみることをおすすめします。
さいごに
ここまで「上京コロシヤ娘」の魅力を熱く、そして長々と語ってきましたが、いかがでしたでしょうか?
田舎でのんびり暮らしたかっただけなのに、無理やり大都会の荒波に放り込まれた千晴。
文句を言いながらも、持ち前のタフさと殺しのスキルで、理不尽なトラブルを次々と(物理的に)解決していく彼女の姿は、見ていて清々しいものがあります。
私たちは殺し屋ではありませんが、「慣れない環境で必死に生きる」という点では、千晴と同じチャレンジャーです。
新しい学校、新しい職場、新しい街。
不安で押しつぶされそうな時、この漫画を読んでみてください。
「ま、千晴よりはマシか(命までは取られないし)」と笑えるかもしれませんし、「私もあいつみたいに、図太く生きてやろう」と勇気が湧いてくるかもしれません。
2025年12月16日に発売されたばかりの第1巻。
物語はまだ始まったばかりです。これから千晴が東京でどんな伝説を作っていくのか、そしていつか故郷に帰れる日は来るのか(あるいは東京に染まりきってしまうのか?)。
私たち読者も、その行く末を最前線で見届けましょう!
まだ読んでいない方は、ぜひ書店や電子書籍で手に取ってみてください。
きっと、あなたの退屈な日常を、銃弾と笑いで撃ち抜いてくれるはずです。


